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ロマンス手帖

ハーレクインロマンスなどの海外のロマンス小説の感想ブログ。あらすじの紹介です。多少のネタバレあり。

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リサ・クレイパス『もう強がりはいらない』<トラヴィス家シリーズ3>を読んだ感想

リサ・クレイパス『もう強がりはいらない』<トラヴィス家シリーズ3>を読んだ感想

トラヴィス家シリーズの第3作目。
自分勝手な母と、奔放な妹のトラブルを一手に引き受けざるを得ないヒロイン エラ。
 
 
 
今回は、実家の母親からの電話でストーリーは始まります。
どうやら、しらないうちに妹が出産をし、赤ん坊を母親の家に置いたまま、行方がわからない.
「どうにかして!」と怒る母親。
 
 
 
自立した女性を目指しながらも、本当は心細い彼女。
エラが頼れるのは、自分だけ。
彼女を優しく手を差し伸べるヒーロージャックが素敵です。

 

 

家族のトラブル解決係のエラが出会ったのは、文句なしの素敵ヒーロー。

 

今回は、トラヴィス家 次男 ジャックがヒーロー。
オール・アバウト・ロマンスで「ベスト・ロマンス・ヒーロー」に選ばれた程の素敵ぶりです。
※ロマンス小説を愛する人たちによって運営されているアメリカの団体
エラは赤ん坊の父親捜しに奔走していました。
 
 
 
行方不明の妹と、赤ん坊の父親捜し。
そして、同棲相手のボーイフレンドは赤ん坊嫌いときていて、頼るあてもありません。
ボーイフレンドは地球環境には興味があっても、ヒロインのトラブル解決には興味がない様子。
本当は、彼を誰よりも頼りにしたいのに。
 
 
 
周囲はそんなボーイフレンドを非難しますが、なぜか、かばってしまうヒロイン。
どこか、自分が誰かを頼ることが「迷惑」だと感じている節があります。
 
 
 
ストーリーは進み、赤ん坊の父親捜しの過程で、トラヴィス家 次男 ジャックと知り合います。
ジャックは、赤ん坊の父親なのではないだろうか。

そんな疑問を抱き、彼女はジャックに詰め寄ります。

 

 

 

素敵ヒーローは心も広い。無礼なお願いもサラリとOK

エラは無礼を承知で親子鑑定を申し出ますが、あっさりジャックは了承します。
さらに、ジャックはエラの置かれている環境を知り、住む場所や失踪した妹を探しを援助。
他人を頼ることに慣れないヒロインを彼の愛情マネーパワーで支えます。
 
 
 
うーん。素敵すぎる。親子鑑定のくだりで、怒りだしても不思議ではないのに。
 
 
 
彼の助けもあり、妹の所在と赤ん坊の父親の正体が明らかになります。

 

 

あなたを頼ってもいい、そう思える相手がいるって素敵

個人的には最後の結末が納得いかず。
自分勝手なヒロインの妹をしかりつけてやりたい気持ちがフツフツと湧き上がりますが、リサクレイパスの他作品にも、似た展開があったので、これはハッピーエンドオチのテンプレ?
 
 
 
誰の手もかりないのではなく、誰かの手を借りながらも自分らしく生きる。
そう生きていけたら素敵だな、と思わせる作品でした。
私にもジャックの優しさとマネーパワーに包まれたいデス。

リサ・クレイパス『幸せの宿る場所』 <トラヴィス家シリーズ2>を読んだ感想

リサ・クレイパス『幸せの宿る場所』 <トラヴィス家シリーズ2>を読んだ感想

トラヴィス家シリーズの2作目。
前作同様、生きていく厳しさを織り交ぜた作品です。
1作目のヒロインリバティのつらい少女時代を支えてくれた淡い初恋の相手ハーディがヒーロー。
お相手はトラヴィス家のご令嬢ヘイヴンです。

富と権力と金を手に入れるためなら、なんだってやってやる。
のし上がり系ヒーローのハーディが抱える闇があまりにも深い作品。

1作目をよんでからの方が一層ストーリーに深みを感じます。
DVやモラハラがエピソードに関係していますので、NG設定の厳しい方はご注意ください。

何不自由なく育ったご令嬢が、まさかのDV・モラハラ

ストーリーはトラヴィス家の一人娘ヘイヴンを中心に展開します。

前半はヘイブンの結婚生活と別れ。
後半は結婚生活の痛手を回復するべく、家族と周囲の支えを得ながら愛情を再確認するストーリーです。

ヘイブンの駆け落ち同然の結婚生活はひどいもの。元夫から日常的なDV。社会復帰後、新しい上司からのモラハラ
彼女の愛情深さや優しさが裏目にでてしまい、何をするにつけ相手をつけ上がらせてしまってるように感じます。

 

 

 

このあたりのくだりは酷いもので、DV場面も生々しいので、苦手な方へはオススメできません。喉の奥に嫌な塊を感じるほどです。リアリティがありすぎる?

 

 

 

ダーティーなヒーロー ハーディー登場。彼の心の闇深さは半端ない。

 

 

彼女が社会復帰をする当たりから、ヒーロー ハーディー登場です。
実は、ハーディーはリバティ(1作目ヒロイン)狙いではなく、ヘイブン狙い。

 

 

駆け落ち結婚をしてしまったヘイヴンを、一旦はあきらめたのですが、彼女が離婚をすると聞き、熱い気持ちが再燃。

 

貧しい出自から想像もできない程の、金と権力を手に入れた成功者のハーディ。
この作品の前半はヘイヴンの結婚生活を描いているので、ハーディーはメインで登場しません。

 

彼のバックグラウンドは一作目『夢をみること』前半に描かれており、この作品だけ読んでも、ハーディーの生い立ちがわからず、彼の苦悩と葛藤が充分に伝わりませんのでご注意を。
▼過去記事▼

リサ・クレイパス『夢を見ること』<トラヴィス家シリーズ1>を読んだ感想

リサ・クレイパス『夢を見ること』<トラヴィス家シリーズ1>を読んだ感想

トラヴィス家シリーズの1作目。幼くしてメキシコ人の父親と死に別れ、母親と二人でつつましく暮らしているハーフの娘リバティがヒロイン。妹が生まれた頃、突然母親が亡く...

ハーディーの抱える秘密が重すぎて、結末はハッピーエンドというよりもしんみり。

 

やらしい元夫がヘイヴンにつきまといます。

 

誰にも言えない重い秘密を抱えながら、彼女を守るハーディー。彼の懺悔ともいえる告白は、ちょっと衝撃的で、痛々しい。

 

 

お金があっても愛は手に入らない・・・

 

傷ついた二人が寄りそうように結ばれる結末は、ハッピーエンドというよりも、しんみりしちゃう印象です。

 

 

1作目を読んでから、この本を読むと切なさ倍増ですよ。

 

 

 

リサ・クレイパス『夢を見ること』<トラヴィス家シリーズ1>を読んだ感想

リサ・クレイパス『夢を見ること』<トラヴィス家シリーズ1>を読んだ感想

トラヴィス家 シリーズの1作目。
幼くしてメキシコ人の父親と死に別れ、母親と二人でつつましく暮らしているハーフの娘リバティがヒロイン。
妹が生まれた頃、突然母親が亡くなってしまいます。
幼い妹をつれ、リバティが現実と向き合い一人の人間として強く成長をする物語。
 
 
 
貧困と暴力と隣り合わせのトレーラーハウス生活や、その中での淡い初恋。

彼女が、幼い妹と二人で貧しさから抜け出し、幸せをつかむまでの半生記的な作品。
ロマンス小説を超えた何かを感じる本です。

 
 
 

 ロマンス小説を超えたヒロインのリバティ半世紀

舞台はテキサス田舎町。
ストーリー前半は彼女のつらく悲しい生い立ちが中心。
後半はロマンスがメインです。
正直、前半は重苦しい雰囲気で読み進めるのが苦しい程でしたが、彼女の淡い初恋があってこそ、このシリーズを通しての面白みが増すので、つらくてもちょっと頑張って読みたい部分です。
 
 
 
コンテンポラリー作品なので、リバティが直面するトラブルや、ちょっとした悲しみに共感しやすく、失望が胸にズシンと重くのしかかります。
肌の色の違いでの悲しい思い、ロストバージンの場面など、ハーレクインのような素敵な展開ではありません。

 
 
 

sugar daddy(シュガーダディ)がリバティを救う

前半、ロマンスの兆しもなく、展開も重苦しいのですが、大富豪の紳士と知り合う所から、話の雰囲気は一変します。

 

大富豪の紳士が、リバティを見込み彼女に個人秘書の仕事を依頼します。
リバティ半生記から、ロマンスの要素へシフト転換といったところ。
悲しく辛い彼女の人生に一筋の光が見え始め、サクサク読み進められます。
 
 
 
ストーリー半分の段階で、ヒーロー(やっと)ゲイジの登場。
登場が遅いので、ヒーローの甘さや、優しさを堪能したい方には、ちょっと物足りないかもしれませんね。

 

大富豪の紳士の息子ゲイジは、リバティを父親の愛人なのではと疑いをかけます。
秘書とは名ばかりなのではないか、と厳しくリバティにあたります。
 
 
 

幼い妹を育てていかなければいけないリバティは、ゲイジに辛く当たられながらも、割り切り秘書の仕事に取り組もうと頑張ります。

 

 

 

初恋の相手と富豪の息子の間で揺れ動く苦労人リバティの恋心(ヤヤネタバレ)

ゲイジは、最初こそ誤解からリバティに辛くあたりますが、素敵なナイスガイ。
お金を持ってて、素敵で、しかも寛容だなんて、文句なしのヒーロー。
 
 
 
終盤、リバティにもようやく幸せ到来か、と思いきや、トレーラーハウス時代の淡き初恋の相手と再会。自分のつらく悲しい生活と過去を共有できる唯一の相手。彼はリバティにとって特別な存在なのです。

 

 

彼女は、初恋の相手を選ぶのか、リバティを温かく包み込むゲイジを選ぶのか、最後まで引っ張ります。

 

 

ロマンス小説は幸せな気分になりたいために読む、という前提だと読み進めるのにつらい一冊。
ですが、生きていくことに前向きなヒロインを応援したくなる作品ですよ。

 

 

J・R ウォード『夜明けを待ちわびて』を読んだ感想

J・R ウォード『夜明けを待ちわびて』を読んだ感想

アメリカ金融界の寵児ショーンと心優しい看護師リジ―のロマンス。華やかな名声と莫大な金を手に入れたショーンには、誰にも告げていない過去が。

 

彼は、幼少期、父親に虐待をうけていたんです。

 

そんなショーンに、父親の訃報を知らせる一本の電話がはいります。

 

 

誰にも打ち明けられない父親への気持ちを抱える孤独なショーン。そんな彼の心をいやすことになるのは、父親の訃報の電話をいれた看護師リジ―です。

 

 

限りなく優しく、美しく、そして広い心でショーンを包みこむ、彼女のやさしさに震えるロマンス。

 

 

でも、なんといっても、見どころは10億ドルの資産がありながら、

 

デートは割り勘主義のヒーロー(笑)

 

割り勘なのにはワケがある。その理由を知れば知る程、じーんときますよ。

 

前代未聞 割り勘ヒーロー

子供時代、ショーンと彼の兄弟は父親の暴力におびえ暮らす日々を過ごしていました。ものすごい猜疑心の持ち主なので、女性に対して、ブリザート並みの冷たい目線で、厳しくチェック。

 

彼が、結婚しない理由は、苦労して稼いだ金を持ち逃げされたくないから。金目当ての女はこりごりさ。その結果、割り勘ヒーローの出来上がり

 

 

一方、ヒロイン リジーは心優しきナース。もうびっくりする位、やさしい。借金癖があるとしか思えない母親への金の工面に奔走しながら、うらみがましい処は一切なし。

 

それだけでなく、ヒーローの父親とも関係も良好。彼の父親とは大家と店子の関係なんですが、病持ちの年老いた大家とリジ―は擬似親子の関係を築く程の親密ぶり。

 

でも、そんな優しいリジ―にたいしてもショーンは、超厳しい目線でチェック!!

 

あくまで善意で、リジ―は大家の死を、息子であるショーンに電話で伝えます。彼女は、看護師ですが、あくまで善意ですよ。善意。

 

相手が金融界の大物だとも知らず、お悔み申し上げ、ごくごく普通に接します。急いで駆け付けたショーンに対しては、彼がたくましいから、建設業のお仕事?もしくは肉体労働?の発想です(笑)

 

 

出会いから休息に二人は惹かれていきますが、リジ―の心の優しさがショーンは理解できません。全く、全然です。

 

 

  • 「金目当てで自分の父親に近づいていたのではないか?」
    「愛人関係に持ち込みたかったのではないか」
    「いやいや、ひょっとして自分がウォール街の大物だと知っていて、獲物として狙っているのではないか」

 

 

父親を亡くしたばかりの不安定な気持のショーンの心は複雑。悲しくもあり、ようやく終わった、という安心感もあり。そこは、暴力を振るわれていたとはいえ、入り混じる父親への複雑な想いがなんとも切なく。

 

父親の死への悲しみと、ヒーロー絶え間ない猜疑心。そして芽生え始めたヒロインへの愛情の間で、大きく彼の気持ちは揺れ動き始め、ストーリーは進みます。

 

 

ニシカワの一番のお気に入りのシーン

 

貧乏なフリをしてるショーンと、仕事があやういリジ―が公園で極貧デート。

 

偶然、公園で出会った男性たちとフリスビーをすることになったショーン。どうしてもリジ―にカッコいい所を見せたくて、頑張っちゃいます。

わざわざヒロインが見ている傍まで走ってきて、ワイルドなキャッチをしてみたり。2~3分おきに、チラチラとヒロインを確認しながら、ヒロインに手を振る姿に、こちらが胸がキュン。

 

ああ、やっぱり、なんだかんだいってもショーンはリジ―を好きなんだ、と安心する場面です。

 

 

ちょっと涙ホロリの結末

彼も闇からようやく脱出!と、安心するのも束の間、ショーンは、自分が大金持ちと彼女に事実を伝えていません。

 

嘘をついている罪悪感からか、彼女と少しずつ距離をおきはじめます。
自分自身を幸せから遠ざけてしまう悲しい行動。

 

自分の正体をカミングアウトするも、リジ―への偏見が拭い去れず、繰り返されるショーンの誤解。

 

その都度、過ちをショーンから謝罪されるものの、理不尽な疑いをかけられ続けるリジ―の堪忍袋の緒が切れます。

 

金目当ての女はうんざりだ、と言いながらも、本当は自分を裏切らない女性を求めているのに・・・

 

ショーンの矛盾だらけの行動を、総て許し包み込むリジ―の言葉が奥深い。

 

「どうしていえる(許してくれる)んだい?」と尋ねるヒーローに
「たぶん・・・あなたのことが前より理解できるようになったから、許すことも楽になったんだと思う」
「誰だって、人生から善なるものを受け取る資格があるわ」

 

人を信頼し、愛を受け入れる。
ショーンに丁寧に伝える彼女のやさしさが、じんわり伝わり、頑ななショーンの心と一緒に、何かきれいなもので洗い流されるような感覚をうける一冊でした。