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ロマンス手帖

ハーレクインロマンスなどの海外のロマンス小説の感想ブログ。あらすじの紹介です。多少のネタバレあり。

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ロレッタ・チェイス『悪の華にくちづけを』を読んだ感想

ロレッタ・チェイス『悪の華にくちづけを』を読んだ感想

男勝りならぬ男に勝ってしまってるヒロイン ジェシカと、身体は大きく、醜い(と自分で思っている)、でも心は少年のヒーロー デイン。

 

 

美女と(みかけ)野獣で、かなりおいしい設定です。

 

RITA賞(ショートヒストリカル部門)受賞の作品です。
二人の出会いから、心を通わせるまでの甘く切ないストーリーです。

 

 

弟の放蕩生活に喝をいれるはずが、ヒロイン心ならずも一目ぼれ

舞台は1828年 パリ。

 

ヒロイン ジェシカは、弟が、堕落した生活をおくりつつあると聞き、弟をつれもどすためにパリにのりこみました。
ぼんくら弟は、たちの悪い連中と付き合ってる様子。弟に喝をいれねばならない!

 

 

ジェシカは、両親を早くになくし、弟と二人、親戚の家で育ちました。
頭脳明晰、機敏さと度胸を兼ね備え、何をやらせても誰にも引けをとることありません。
容姿も端麗。27歳で(当時としては)婚期を逸してしまったとはいえ、求婚者が後をたたないモテモテ女性です。

 

何をやらせてそつなくこなす、才色兼備とはジェシカのこと

一方、今回のヒーロー デインは、弟を連れまわしている悪の輩のリーダー的存在。
良心を持ち合わせず非情で無頼漢。そんな不名誉なレッテルをはられ、放蕩のかぎりをつくす生活をしていました。

 

 

ジェシカのぼんくら弟が、この二人の出会いのきっかけとなります。
デインはジェシカと初めて会った時、彼女の全身からにじみ出る美しさに胸うたれますが、同時に自分の醜い姿を意識し心を閉ざしてしまいます。豪快な言動とはうらはらに、彼はとっても繊細なんです。

 

 

でも、そこは大きな勘違い。ジェシカは、弟をたぶらかす悪の輩を「不格好なゴリラ」のような男と想像していたのですが、実際にデインをみて、その男ぶりに一目ぼれ。たくましさに惹かれるジェシカのハートは、彼にくぎづけです。

 

序盤から、二人は完全に相思相愛。お熱いことこのうえなし!

 

 

 

ところが、ヒーロー側の心の傷が深く、一筋縄では両想いにはなりません。紆余曲折あり、男前のヒロイン ジェシカは、デインの強がる姿や虚勢をはる姿から、彼の本質を見抜き、おおらかに時には強く接します。さすが、才色兼備の評判は、ダテじゃりません。

 

時には優しく、悪い事をすればお仕置きもします。

姐さんのお仕置きは、ケタ違い。お仕置きのすごさも見どころの1つです。

 

 

雨の中のラブシーンが素敵すぎてキュン死

 

なんといっても、一押しシーンは雨の中のラブシーン。
ストーリー序盤、まだまだ二人がプラトニックだったころ。ある時ジェシカは、デインの女関係目撃してしまいます。二人は確かな約束をした仲ではありませんが、がぜん面白くありません。

 

 

 

 

怒り冷めやらぬ様子で、目撃現場から飛び出し、嫉妬とやるせなさで、どうしようもない。
デインはジェシカを追いかけ、雨の降る街中二人は喧嘩をするシーンが秀逸。夜更け前、街灯の明かりが薄暗くてらされる道端。
「酔っ払い」「ろくでなし」ジェシカはデインをなじります。

 

 

それまで強気だったジェシカの可愛すぎる一面。勝気な才色兼備が、嫉妬でしくしくなくんですよ。
デインは、雨に濡れるジェシカの癇癪をおこす姿が、あまりにも美しく、抱きしめたら壊れてしまいそうだと葛藤しながらも、彼女を抱きしめ甘い言葉をささやきます。
降りしきる雨も気にせず、ジェシカを抱きよせる姿に(私も)メロメロです。

 

 

これぞロマンスの醍醐味!
隠していたお互いの気持ちが溢れ出る描写がとっても素敵です。
あと、サブ的なストーリー的な見どころとしては、ぼんくら弟はたいした登場もないくせに、頻繁に話題に上ってくるのも面白いですよ。

 

 

馬鹿にされ具合も痛快です。

 

カーラ・ケリー『ふたたび、恋が訪れて』を読んだ感想

カーラ・ケリー『ふたたび、恋が訪れて』を読んだ感想

若く美しい未亡人ロクサーナと、悲惨な戦争や離婚を経験し心を閉ざしてしまった侯爵ウィン卿。

 

傷ついた二人が二度目の愛にたどり着くロマンス。ふたたび、恋が訪れた大人の二人はどうなるのか。

 

カラーケリーのRITA賞受賞作。何度、再読しても心に染み入る良書ロマンスの一冊です。

 

どんなに本棚があふれても、この本は手放せない程、私のお気に入りです。超おすすめですよ。

 

美しすぎるヒロイン 好色な義兄の魔の手が・・・

 

舞台は、19世紀英国。
ロクサーナは牧師だった夫アンソニーと死別。
二人の幼い娘を抱え、今後どうやって生きていくかを試案していました。もうすぐ新しくやってくる人に、今すんでいる屋敷を明け渡さなければいけません。

自分の身の振り方に悩んでいるロクサーナ。
夫アンソニーの兄は、ヒロインに「特別な取り決め」を持ち掛けます。
それは、自分の屋敷に住まわせる代わりに愛人にならないか、と。

 

 

断れば困った状況になることは目に見えています。自分の未亡人としてうけとる手当を決めるのは治安判事の義兄。きっと腹いせに受けとる金額を減らされるに違いない。
どうしても「特別な取り決め」を受け入れられないロクサーナは、偶然、無人の家を見つけます。
そのさびれた具合は、借り手もいないことは一目瞭然。その荒れ果てた屋敷に手を加え、自分と娘で生活ができないかと思案します。

 

 

 

なんとか、ヒロインは家を借りることができ、一安心なのですが、好色な義兄は彼女を手に入れる追及をゆるめません。
そのさびれた屋敷の持ち主こそがヒーロー 侯爵 ウィン卿。無人の屋敷をかりることで彼女の運命は大きく変わりました。

 

 

 

貴族社会ではちょっとした変わり者。まがった事が大嫌いなウィン卿

 

ウィン卿は自分が家を貸す相手を、「老婆と持参金がなくいきおくれたオールドミス」と勝手に想像。

 

 

ところが、彼を、出迎えたのは、行き遅れのオールドミスどころか今までみたこともない美しい女性。

 

 

ちょっと頑固で、融通が利かないウィン卿。でも、真実の愛を求めてやまないロマンチストさん。

 

 

そんな不器用な男が、面食らった様子は笑えます。
心暖かな未亡人と、可愛くてしかたない娘二人にウィン卿もほどなくしてメロメロ。
幼い娘たちも、父親の面影を彼に重ねてみています。
にわか親子ような、ぎこちなくも、ちょっと心温まるいい関係。

 

 

男らしさ全開のウィン卿に(私も)ヨロメク

ところが、ロクサーナは、義兄の罠にはめられ、娘二人を取り上げられる羽目に・・・・

 

ロクサーナとウィン卿は、二人の娘を守るため便宜結婚を選択します。後ろ盾がないから子供を取り上げられてしまう。だったら、僕が守ってあげようという男気あふれる提案です。

 

 

この辺りから、ストーリーの展開は緊迫感にあふれ、ウィン卿の男らしい行動力ににヨロメくこと間違いなし。
そして、便宜結婚はいつしか本物の愛情に・・・

 

ヨークシャ―の美しい景色と季節の移り変わりが、ストーリーに彩りをそえ大いに気分を盛り上げてくれます。
大人女子にぜひ読んでいただきたい一冊!是非ともオススメです。

 

 

 

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中古本の紹介サイトの特徴まとめ

古本はどこで買う?「ネットオフ」か「駿河屋」か「Amazon」?

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J・R ウォード『夜明けを待ちわびて』を読んだ感想

J・R ウォード『夜明けを待ちわびて』を読んだ感想

アメリカ金融界の寵児ショーンと心優しい看護師リジ―のロマンス。華やかな名声と莫大な金を手に入れたショーンには、誰にも告げていない過去が。

 

彼は、幼少期、父親に虐待をうけていたんです。

 

そんなショーンに、父親の訃報を知らせる一本の電話がはいります。

 

 

誰にも打ち明けられない父親への気持ちを抱える孤独なショーン。そんな彼の心をいやすことになるのは、父親の訃報の電話をいれた看護師リジ―です。

 

 

限りなく優しく、美しく、そして広い心でショーンを包みこむ、彼女のやさしさに震えるロマンス。

 

 

でも、なんといっても、見どころは10億ドルの資産がありながら、

 

デートは割り勘主義のヒーロー(笑)

 

割り勘なのにはワケがある。その理由を知れば知る程、じーんときますよ。

 

前代未聞 割り勘ヒーロー

子供時代、ショーンと彼の兄弟は父親の暴力におびえ暮らす日々を過ごしていました。ものすごい猜疑心の持ち主なので、女性に対して、ブリザート並みの冷たい目線で、厳しくチェック。

 

彼が、結婚しない理由は、苦労して稼いだ金を持ち逃げされたくないから。金目当ての女はこりごりさ。その結果、割り勘ヒーローの出来上がり

 

 

一方、ヒロイン リジーは心優しきナース。もうびっくりする位、やさしい。借金癖があるとしか思えない母親への金の工面に奔走しながら、うらみがましい処は一切なし。

 

それだけでなく、ヒーローの父親とも関係も良好。彼の父親とは大家と店子の関係なんですが、病持ちの年老いた大家とリジ―は擬似親子の関係を築く程の親密ぶり。

 

でも、そんな優しいリジ―にたいしてもショーンは、超厳しい目線でチェック!!

 

あくまで善意で、リジ―は大家の死を、息子であるショーンに電話で伝えます。彼女は、看護師ですが、あくまで善意ですよ。善意。

 

相手が金融界の大物だとも知らず、お悔み申し上げ、ごくごく普通に接します。急いで駆け付けたショーンに対しては、彼がたくましいから、建設業のお仕事?もしくは肉体労働?の発想です(笑)

 

 

出会いから休息に二人は惹かれていきますが、リジ―の心の優しさがショーンは理解できません。全く、全然です。

 

 

  • 「金目当てで自分の父親に近づいていたのではないか?」
    「愛人関係に持ち込みたかったのではないか」
    「いやいや、ひょっとして自分がウォール街の大物だと知っていて、獲物として狙っているのではないか」

 

 

父親を亡くしたばかりの不安定な気持のショーンの心は複雑。悲しくもあり、ようやく終わった、という安心感もあり。そこは、暴力を振るわれていたとはいえ、入り混じる父親への複雑な想いがなんとも切なく。

 

父親の死への悲しみと、ヒーロー絶え間ない猜疑心。そして芽生え始めたヒロインへの愛情の間で、大きく彼の気持ちは揺れ動き始め、ストーリーは進みます。

 

 

ニシカワの一番のお気に入りのシーン

 

貧乏なフリをしてるショーンと、仕事があやういリジ―が公園で極貧デート。

 

偶然、公園で出会った男性たちとフリスビーをすることになったショーン。どうしてもリジ―にカッコいい所を見せたくて、頑張っちゃいます。

わざわざヒロインが見ている傍まで走ってきて、ワイルドなキャッチをしてみたり。2~3分おきに、チラチラとヒロインを確認しながら、ヒロインに手を振る姿に、こちらが胸がキュン。

 

ああ、やっぱり、なんだかんだいってもショーンはリジ―を好きなんだ、と安心する場面です。

 

 

ちょっと涙ホロリの結末

彼も闇からようやく脱出!と、安心するのも束の間、ショーンは、自分が大金持ちと彼女に事実を伝えていません。

 

嘘をついている罪悪感からか、彼女と少しずつ距離をおきはじめます。
自分自身を幸せから遠ざけてしまう悲しい行動。

 

自分の正体をカミングアウトするも、リジ―への偏見が拭い去れず、繰り返されるショーンの誤解。

 

その都度、過ちをショーンから謝罪されるものの、理不尽な疑いをかけられ続けるリジ―の堪忍袋の緒が切れます。

 

金目当ての女はうんざりだ、と言いながらも、本当は自分を裏切らない女性を求めているのに・・・

 

ショーンの矛盾だらけの行動を、総て許し包み込むリジ―の言葉が奥深い。

 

「どうしていえる(許してくれる)んだい?」と尋ねるヒーローに
「たぶん・・・あなたのことが前より理解できるようになったから、許すことも楽になったんだと思う」
「誰だって、人生から善なるものを受け取る資格があるわ」

 

人を信頼し、愛を受け入れる。
ショーンに丁寧に伝える彼女のやさしさが、じんわり伝わり、頑ななショーンの心と一緒に、何かきれいなもので洗い流されるような感覚をうける一冊でした。