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ロマンス手帖

ハーレクインロマンスなどの海外のロマンス小説の感想ブログ。あらすじの紹介です。多少のネタバレあり。

エマ・ダーシー『ファルコンの恋人』を読んだ感想

エマ・ダーシー『ファルコンの恋人』を読んだ感想

シドニーの看護師べサニーとアラブのシークザッカーのロマンス。

 

べサニーの父親は人類学者。アラブへ研究のため出向いたのですが、行方不明になってしまいました。部族間の抗争に巻き込まれたらしい。おそらく、命はないものと・・・・

 

 

皆がべサニーへお悔みの目線を投げかけますが、べサニーはあきらめません。
絶対に!絶対に、絶対にお父さんを見つけてみせる!

 

 

アラブで出会ったのは超魅力的なシークザッカー。彼に父親の捜索のお願いをするのですが、けんもほろろ。なんとかべサニーは彼の裏をかき、父親を見つけ出そうとするのですが・・・

 

 

最近、すくなくなったシークものロマンスです。闊達なべサニーと彼女を守ろうとするシークザッカーとのやりとりにしびれる一作ですよ。

 

 

『ファルコンの恋人』を読んだ感想<ネタバレあり>

べサニーは、こうと決めたら絶対にやりとげる。もう、そりゃあ頑固一徹。

ふにゃふにゃしてる、そんじょそこらのハーレのヒロインとは一味ちがいます。

 

 

 

アラブの国で、女の身で一人、父親の捜索をしようと奮闘。が、危ない事きわまりない。

 

彼女の父親が行方不明になった経緯から考えても、彼女が自分の身を危険にさらして捜索するほど、生きてる可能性は低い。口をそろえて、「やめとけ」と誰もがいいます。

 

 

アラブのシーク、ザッカーもその一人。自分の国で、美しいべサニーが危険な行動をとろうとしているのを見過ごすことはできません。

 

 

なにせ、ザッカーは彼女にひとめぼれしてますからネ(笑)

 

 

彼女を守ろうと、あれこれ手をつくすのですが頑として聞き入れないべサニー。

 

表面的には「父親をさがすの!」と強気の姿勢をくずしてないのですが、本当は、彼の愛に守られて、このまま彼の腕の中で守られたいって思ってるのです。

 

 

ザッカーは「しろはやぶさ」を可愛がってるのですが、その「しろはやぶさ」をみて、べサニーは複雑な思いにとらわれます。ザッカーの寵愛するの鳥のように、翼はあっても飛び立とうとしない自分になってしまうのが怖い。ザッカーの愛撫、彼の視線、それだけで満足をしてしまって、父親へ救出をあきらめてしまいそう。。

 

 

父親の捜索と、ザッカーへの愛への葛藤に揺れ動くべサニーが実に切ないのです。

 

 

自分らしさってなに?愛と引き換えに、私は自分じゃなくなるの?

 

 

 

実は、シーク様はべサニーに内緒で、自らの命をかけて、父親の捜索してるのですが、知らぬはヒロイン本人ばかりなり。

 

かなーり、理解のあるシーク ザッカーに胸キュンな作品。エマ・ダーシーならではの、活発なヒロインが魅力全開の作品です。

 

Amazonではゴージャスな表紙も素敵ですね!チャラチャラしてるだけのヒロインじゃないですよ。

エマ・ダーシー『記憶の扉が開いたら』を読んだ感想

エマ・ダーシー『記憶の扉が開いたら』を読んだ感想

実業家デミアンと、グラフックデザイナー ナタリーのロマンス。

 

夫と息子を同時に転落事故で無くしたナタリーは悲しみにくれる生活。そんな彼女を支え、励ましてくれるのは亡き夫の友人であり夫の会社の共同経営者のデミアンです。

 

 

ナタリーとデミアンの二人が、ふと口論になったことがきっかけで、ナタリーは頭を強く打ち記憶喪失に。いずれは戻るだろう記憶を抱え、もどかしい気持ちと、目の前にいるデミアンへの恋心を強く自覚。

二人の気持ちは、かつてない程接近しますが、ナタリーの記憶の扉は閉ざされたまま。

二人はめでたく結ばれるかと思いきや、この記憶喪失がきっかけで過去の苦しい感情が表面化し、ちょっとドロっとした人間関係の物語に発展します。

 

 

甘いロマンスではないこの作品。
人を愛するって、夫婦の愛って、きれいごとばかりじゃないのね、と感じ入るロマンス作品です。
甘いハッピーエンドがお好きな方は、取り扱いにご注意くださいね。
 

 

登場人物が抱える葛藤が見どころ

デミアンと、ナタリーの亡き夫ライアンは親友同士。会社を共同で経営していました。一見、硬い友情で結ばれているように見えますが、その実二人とも複雑な気持ちを抱えています。

 

 

  • ライアンはデミアンに対する劣等感を。
  • デミアンは、ライアンに対し嫉妬を。
  •  

     

    ライアンは、それはそれはナイスガイなのですが、つらい幼少期を過ごしてきたこともあり、ちょっとアレな人です。女性無しではいられない。浮気三昧を超えたふるまいです。一種の依存症に近いのでは?と思われます。
    ナタリーとの結婚式当日も、いけないことをしちゃったりする我慢の利かない男性。
    でも、子煩悩で優しい父親の顔も持ち合わせているライアン。

     

     

     

    一方、ライアンが心の中でライバル視しているデミアンですが、こちらは温かい家庭に育ってきた堅実な男性。将来的には、沢山子どもが欲しいな、と思ってはいましたが、身持ちの悪い妻とうまくいかず離婚。ちょっと女性関係で痛手を被っているバツイチなナイスガイです。
    で、彼の内心は、ライアンに嫉妬メラメラ。実は結婚式当日に会ったライアンの花嫁ナタリーに一目ぼれしてしまったからです。

     

     

     

    自分が求めていた女性なこの人だ!とびびっときたものの、もう時すでに遅し。
    お相手はウェディングドレスを着て、他の男の妻になろうとしている。
    ここで、彼はあきらめようとはするものの、その後、ライアンの女性関係に対し怒りを抱きます。
    幸せな結婚生活を送っていないライアンとナタリーに対し、複雑な気持ちを抱くわけです。

     

     

     

    そして、極め付けが!!ヒロインナタリー。
    何かにつけ、夫ライアンが、自分との会話で「デミアンが~」「デミアンが~」とデミアン教の教祖のような発言を繰り返すので、腹立たしく感じています。
    薄々は、夫が浮気を繰り返していることも知っており、自分の結婚生活が破綻寸前も重々承知。
    一方で、子煩悩な夫をみると離婚も決めかねる・・・といった苦しい状況です。
    自分を顧みない夫ではなく、デミアンに対しても、うっすら恋心を抱いているのですが、そんなこと言えるはずがありません。
    そして、極めつけに夫の浮気の証拠隠しに、デミアンが一役買ってると誤解をしてるので、デミアンに対しては、恋心と同時に怒りを抱えています。

     

     

     

    そんな三人の登場人物に、デミアンの性悪元の元妻と、ライアンの浮気相手?デミアンの恋人?が登場で、なかなかてんこ盛り。

    驚き記憶喪失後の展開

    こういった複雑な気持ちをかかえたヒーロー・ヒロイン。
    二人とも憎からず思ってるのなら、くっついちゃえばいいのですが、そうはいきません。

     

     

    秘めていた、憎しみ・嫉妬・悲しみ・やるせなさが一気にほどばしります。
    いささか戸惑う程の短いながらも急展開。短いながらも、読ませてくれます。

     

     

    特に、夫ライアンの事故の真実と、ヒーローライアンの衝撃の告白に驚きです。
    私、ちょっとドン引き・・・。

     

     

    ドロドロ系のロマンスの結末としては、無難な着地でしたが、後味はあまりよくないロマンス小説でした。

     

     

    でも、それが人。それが人間。聖人君子じゃないもの。
    人を愛するってきれいごとじゃないし、誰だってエゴイスティックな面が出てきちゃう。

     

    単なる作られたハッピーロマンスだけでは物足りない、ちょっとしたリアリティがあった方がスキヨという方は楽しめる作品だと思います。

    エマ・ダーシー『愛の使者のために』を読んだ感想

    エマ・ダーシー『愛の使者のために』を読んだ感想

    家具職人ジャックとブライダル企画会社の共同経営をしているニーナのロマンス。

     

    ジャックは大の子供嫌い。

     

    友人の出産祝いに訪れた産婦人科医院で、八か月前に口論の末わかれた元恋人ニーナと再会します。

     

     

     

    ああ、ニーナ。なんで突然、僕の前から去っていたんだ。

    彼女が忘れられないジャックは、思いもよらぬ場所で彼女と再会し、茫然とします。

     

    が!さらに驚くのは、ニーナは、見舞客でなく入院患者の服をきていたこと。

     

     

    ま、まさか。

     

     

    そう、期待を裏切らない、まさかの展開のロマンス。

     

     

    ニーナ大好きなジャックが子供ぎらいを克服するべく奮闘する姿が、痛々しくも笑え、そして応援したくなるロマンス。ジャックのナルチャン的な珍思考とっても面白い作品です。

    大好きなヒロインをとられてたまるか!大嫌いな赤ちゃんと共存・共栄を決意するヒーロー

     

    8か月前、自らの妊娠を告げようとしていたニーナですが、ジャックが子供嫌いと知り口論。そして、妊娠の事実をいいそびれ別れてしまいました。

     

     

    ニーナとジャックは、相性ピッタリで、それはお互い認めるところ。

     

     

    ニーナ以上の女性はいない。ジャック以外は愛せない、とまぁ、お互いなくてはならない存在なのですが、唯一の違いは子供に対する見解の相違。

     

     

     

    結局、産婦人科で鉢合わせ、ニーナの妊娠・出産が発覚するのですが、ジャックはここぞとばかりに、粘りを見せます(笑)

     

     

    ニーナをとられるのが、我慢ならない。でも子供も一緒でないと、ニーナは戻ってきてくれない。

     

    ああ、葛藤。子供は嫌いだけど、自分の子供は可愛い・・・かも?

     

     

    結局、ジャックは、ニーナの愛と信頼を勝ち得るために、赤ちゃん嫌いを克服し、さらに口論の時にうっかり吐いてしまった暴言を撤回するべく、ニーナに行動で熱烈アピール。

     

     

     

    一方で「人間、そんなに簡単に性格はかわらないわよ」とニーナはつれない態度で接します。たしかにね。

     

     

    私の赤ちゃんに、酷い事されるのは、まっぴらごめんだわ。だからジャックとよりはもどせないの。

     

     

    ヒーローの珍思考が噴飯もの(ちょっとネタバレ)

    ジャックは、結婚を申し込むものの手ひどく拒絶されます。押せ押せの彼は、ニーナと同居するあたりまでは持ち込めるのですが、この辺りから彼の思考がおかしくなります。

     

    まず、彼女との同居がはじまりワクワクのジャック。なんたって、八か月ぶりの甘いひと時を過ごせるのですから、誰にも邪魔されたくない。

     

     

    もう、本当にニーナ大好きなんです。

     

     

    そこで、彼は、うまれたばかりの赤ちゃん(娘シャーロット)に、「パパとママの邪魔をしないでくれよ。夜はネンネしてね」と、夜泣きしないように、言い含めるわけです。

     

    夜泣きに邪魔されることもなく、二人きりの時間をすごせて、ご満悦のジャックですが、後から問題が勃発。

     

     

    あんまりぐっすり眠ってしまったシャーロット。

     

     

    夜中、授乳できずニーナの胸が母乳ではってしまったのです。ぱんぱんに張り詰めて痛そうなニーナ。なんとか力になりたいジャックは、強制的に母乳すいだす搾乳機を薬局に、買いに走ります。

     

     

     

    痛そうに搾乳機をつかうニーナをいて、苦々しい気持ちになるジャック。

     

     

    僕のせいだ。僕がシャーロットに、ぐっすり眠ようにいってしまったから。僕が欲望にまけたせいだ。(絶望)

     

     

     

    終盤、ニーナに懺悔するのですが、彼女は冷静に「この人は、赤ちゃんが自分のいったことを理解し、実行したから夜ぐっすり寝てるんだと本気で思ってるのかしら?」と不思議がります。

     

     

    多分、本当におもってるのでしょう(笑)

     

     

    まぁ、これは、一例なのですが、ジャックの奮闘ぶりは、それ以外にも多々ありまして、どれも涙ぐましいものばかり。いや、笑いばかり。

     

     

    娘シャーロットにメロメロになるジャックに一言、ニーナは「あなた子供嫌いじゃなかったの?」と当惑気味。

     

     

     

    だって、皆、子育ては大変だってばっかりいって、可愛いってことを教えてくれなかったから・・と、ジャックはなんとも可愛い返答です。

     

     

     

    とっても明るく楽しい気持ちになるロマンスですよ。搾乳機買いに走るヒーローってなかなかいません。ハーレやりますね。