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ロマンス手帖

ハーレクインロマンスなどの海外のロマンス小説の感想ブログ。あらすじの紹介です。多少のネタバレあり。

キャスリーン・E・ウッディウィス『炎と花』(上・下)を読んだ感想

キャスリーン・E・ウッディウィス『炎と花』(上・下)を読んだ感想

ヒストリカルロマンスの先駆者、キャスリーン・E・ウッディウィスの名作。今から40年以上前に書かれた作品ですが、流麗で品の良い出だしから、ストーリーに引き込まれ、全く古さを感じさせません。

 

長きにわたり、多くの女性をときめかせた作品は、ロマンス小説の要素がぎっしり詰まっています。ロマンス小説初心者の方でも、安心してお手にとっていただける作品。

 

 

叔母夫婦から虐げられ、イギリスの片田舎で苦しい生活をしている美しきヒロインヘザー。誰からの指図をうけないプライド高きアメリカ人船長のブラントン。二人の誤解から始まった大いなるロマンス。

 

前半はイギリスでの二人の出会い、後半は新天地アメリカでの結婚生活が描かれています。ヘザーの親族たちに結婚を強制され、強い怒りをもちつつも、美しき無垢な姿に惹かれるブライトンの男の葛藤が楽しめる作品です。

 

『炎と花』のあらすじと感想(ネタバレ)

 

私の大好きな作品。いわゆるロマンス小説らしい展開が魅力的です。

 

舞台はイギリス、ヒロインのヘザーの美しさは罪な程。母親ゆずりの美しさは、妬みや嫉妬をこえ彼女自身に不幸をもたらしています。早くに両親をなくしたヘザーは、叔母夫婦と同居。この叔母がですね、ヘザーを妬みまくってイジメまくります。

 

あれは虐待ですね。服はブカブカ、苦しい労働をいいつけられても、彼女のキラリとした美しさは損なわれません。そこはホレ、見る人がみたら原石はわかるんですな。

 

叔母の口車にのってしまい、叔母の弟の屋敷に出向くのですが、そこでもセクハラされちゃいます。お手付き上等!みたいな前提で、叔母から差し出されたんですね。

 

 

ヘザーは屋敷をとびだし、行く先もないので波止場で途方にくれていると・・・アメリカ人に娼婦と間違えられ、さらに大ピンチ!!

 

 

 

女抜きの長い航海の後、ちょっとしたお楽しみの手配を部下に頼んだら、部下が娼婦とまちがえてヘザーを連れてきちゃったのです。

 

 

ブライトンも娼婦らしからぬヘザーに「おっかしーなー」と思ってはいるものの、彼女のみずみずしい身体を見せつけられ…(いか省略)

 

ヘザーを手放したくないと切に考え始めるわけです。

 

 

が、ヘザー自身は傷ついた心と身体をふるいたたせ、なんとかブライトンの船から脱出。命からがら叔母の元にかえりますが、そこで二人の縁は終わりません。ヘザーは妊娠してしまいます。

 

 

プンプンに怒った親戚一同が、ブライトンを探しだし、責任取れと詰め寄ります。

 

 

もう可哀想でならんですよ。<ヘザー。

 

虐待→セクハラ→娼婦と間違われる→妊娠→叔母から罵られる→ブライトンからも憎まれる

 

ブライトンは、ヘザーは手元におきたいが「妊娠の責任をとれ」「結婚しろよ!」と詰め寄られるのが気に入らない。

 

 

「お前なんか、金輪際、身体にふれないからな!」と自爆的な宣言。夫婦でありながら、ベッドはともにしない仮面夫婦になってしまいます。

 

 

前半は、いろいろ大変なことばかりのヘザー。二人は夫婦として海にわたり新天地で新たな生活を始めます。

 

 

いつかブライトンから許され、女性として愛される事を夢見るヘザー。

※ブライトンはイケメンだから、いつのまにかヘザーは好きになっちゃってます(*’ω’*)この感想だけでは、伝えきれませんが、ブライトンの男ぶりはなかなかのもんですヨ。

 

 

ブライトンも、男のプライドと、彼女を思う気持ちの葛藤が大いにロマンスを盛り上げてくれます。男たるもの一度宣言したら守るべし!でも、言わなきゃよかったな~と後悔しきりです。

 

 

女性として、妻として、そして母親としてヘザーは幸せをつかめるのか。終盤までハラハラさせられるストーリー。ホットなシーンもありますが、ロマンス初心者の方でも手に取っていただけるレベルです。

 

長年にわたり女性をときめかせてきた名作。是非とも機会がありましたらお手に取ってみてくださいね。

 

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キャスリーン・E・ウッディウィス『川面に揺れる花』を読んだ感想

キャスリーン・E・ウッディウィス『川面に揺れる花』を読んだ感想

造船技師ゲイジと彼の使用人で元女囚シメインのロマンス。

 

 

 

垢にまみれ、ぼろきれ同然の服をまとった女囚シメインの正体は、豪商の娘。
何不自由なく暮らしていたシメインですが、あらぬ罪で逮捕され奴隷の身に落ちぶれてしまいました。
 

 

 
冤罪を証明してもらおうにも、彼女の身内は誰もシメインを見つけだすことができない。
絶望の淵で出会ったのは、造船技師ゲイジ。なけなしの金をはたいてシメインを買い上げ、それはそれは大切に扱います。

 

 

 

本作品のアメリカでの刊行は1997年。作者の晩年の作品なのか、雰囲気は全体としてまったりとしており、登場人物の人柄も落ち着いた印象をうける作品です。
ですが、そこはヒストリカルロマンスのファーストレディ。キャスリーン・E・ウッディウィスの作品ですから!!ロマンスでのトキメキ要素は満載ですのでご安心を。

 

 

 

なけなしの金をはたいてもシメインを手に入れたいヒーローの恋心

 

 

 
時代は1947年アメリカのヴァージニア州。
北風がにわかに強まるニューポートニューズに囚人たちを乗せた船が一隻到着。
そこには冤罪で囚われた元女囚シメインがいました。
 

 

 

イギリスからアメリカまでの長い航海で、風呂に入れず、垢にまみれ、着ている服はボロきれ同然。
もう、そりゃ、見るも無残な状態。
航海の途中でも、いろんな人に、イジメたおされます。
まず、彼女の美しさを妬む女囚。と、その愛人。シメインの美しさにフヌケになってしまった船長の妻。
なんだかんだで、シメインに因縁つけて、監禁したり食事を与えなかったりと、ひどいイジメようです。
 

 

 

やっとのことでアメリカについた彼女を待ち受けていたのは、囚人のセリ。
結局、イギリスで罪を犯した囚人を買い上げ、植民地のアメリカに届け売る。そのピンハネ分が船長の懐にはいるといった寸法です。
ところが、この船長。シメインを愛人にしようと目論んでいるので、なんだかんだいって、売りに出しません。
 

 

 

そこで登場するのがバツイチ子持ちの造船技師ゲイジです。妻は事故死、ようやく片言が話せるくらいに大きくなった息子アンドリューをシングルで育てています。
 

 

 

息子の子守をお願いしている女性が、ゲイジにオネツをあげていて、その入れ込み具合は、身の危険を感じる程。
彼女では、おいおい問題がおきるだろう、と、別の子守を探しに奴隷の買付にきたわけです。

 

 

 
あんまり期待してなかったゲイジですが、ところがどっこい。
もう、シメインみつけて一目ぼれですよ。
 

 

 
自分の留守中に大切な息子を預けるのですから、子守とはいえ、読み書きがある程度できてもらわないと、となかなか厳しい条件をもって
奴隷の買付にきたのですが、期待を大きく上回る人が!!(笑)
 

 

 

ここがですね、非常に胸キュンなんですよ。
ゲイジは富豪でも豪商でもなく、この時点では一介の技師なので、はらえるお金には上限があります。
しかも相手は売り渋りの船長ときてます。でも、どうしても、どうしてもシメインを手に入れたいと決めて、財布やこれからの生活がカツカツになること承知で、うまく立ち回って彼女を手に入れる。
 

 

 

下働きなんかしたことないシメインが、慣れない仕事に率先して取り組み、なんとかゲイジに役に立とうと、健気に頑張るのは、この辺りの下りを、シメインもよく承知しているからです。
 

 

 
金の湯水のように使う生活をしていた贅沢に慣れ親しんだシメインですが、地獄のような航海を経て、末は愛人か売春宿に売られるかのところを、救ってくれたゲイジにもう身も心も(あ、労働という意味で)捧げっぱなし!
 

 

 

ないない。ゲイジが殺人者だなんて(笑)

この作品のヒーローとヒロインともに、人間ができてるなーというのが率直な感想。
キャスリーン・E・ウッディウィスの他の作品「シャナ」のヒロインシャナなんて性格、致命的ですよね(笑)
 

 

 

ですので、文庫版の帯に書かれている「あなたの正体は殺人者なの?」は、もう序盤から「ナイナイ」って感じで、そこはミステリアスでもなんでもありません。「冬のバラ」みたいにサスペンスタッチでもないので、ご承知おきを。
 

 

 

ゲイジがシメインと結婚するのも比較的スムーズなのですが、結婚したからといって彼らのアツアツは収まりません。

 

 

 
シメインのドレスからちょっと胸が見えると、目を疑うゲイジの発言。

「うまそうなメロンがふたつ。夜まで待ちきれないぞ」

 

 

 
め、めろんっすか。軽く夫婦間のセクハラ(笑)
 

 

 

終盤、彼女が何故、冤罪になった理由が明らかになってきます。そして彼女の両親、イギリスでのシメインの元婚約者が登場して、二人の結婚生活を大反対。
メロンとかいってる場合じゃなくなってきてますが、それでも、シメインは始終ゲイジと一緒に居られて幸せそう。可愛い彼女の幸せな様子をみてあげてください。

キャスリーン・E・ウッディウィス『狼と鳩』を読んだ感想

キャスリーン・E・ウッディウィス『狼と鳩』を読んだ感想

キャスリーン・E・ウッディウィスの11世紀のイギリスを舞台にしたヒストリカルロマンス。

 

イングランドを征服しにやってきたノルマン人のウルフガーと、サクソン人の元領主の娘エイスリンのロマンス。

 

とにかくヒロインが可哀想。

突然やってきたノルマン人に父親は殺され、母親はむごい仕打ちをうけ気がふれてしまいました。エイスリンは首に縄をかけられ、無理やり凌辱・・・

出だしから、暗く重いストーリー展開に、ちょっとドン引きしちゃうので、甘いロマンスを期待されてる方は取り扱い注意の作品。

 

今回、私はサンリオ版を読みましたが、Amazonでみつけられなかったので、ソフトバンク版をリンクしますね。名作ではありますが、賛否両論といったところでしょうか。

 

あまりにむごい仕打ちを受けるヒロインに胸を痛める作品です。

 

舞台はイングランド ”ノルマン・コンクエスト”

 

ヒストリカルというと18世紀あたりを舞台にした舞踏会などキラキラ美しい衣装の貴族が登場する作品が多いですが、この作品はもう一息、さかのぼった作品。

 

その昔、イングランドではエドワード懺悔王が1042年から1066年まで王座についていましたが、彼には子供がおらず、彼が病没した後に王座をめぐって混乱がおきました。

 

結局、エドワード王の妻の兄弟が王座につきますが、そこで待ったをかけた人物がいます。ノルマンディ公ウィリアムです。ノルマンディ公は、自らの王位を主張し、イングランドへ攻撃を開始。

 

この『狼と鳩』では、このノルマンディ公ウィリアムの信頼あつく忠義を尽くす騎士として、ヒーロー ウルフガーが登場します。

 

征服するノルマン人側が、ウルフガー。征服されるイングランドのサクソン人側がエイスリンとなります。

 

 

憎むべきはずの敵。ヒーローに何故か胸が高鳴る哀れなヒロイン

 

ノルマン人ラグナ―が、ウルフガーより先んじて乗り込み、エイスリンの父親の領地を踏みにじりました。父親を殺され、母親に暴力をふるい、そしてエイスリンまでも、ラグナ―に凌辱されます。

 

エイスリンは領主の娘から、一転して奴隷です。

 

ところが、このラグナ―は、とんでもない卑怯なやつで、本来、無血開城をするべきはずのところ、やたらめったら農民は殺すわ、領主は殺すわ、エイスリンに手をつけるわ、やりたい放題。

 

本来のあるべき姿に戻すべく、後からやってきたノルマン人ウルフガーに手ひどく叱られ、ひっこむのですが、殺されてしまった人々はかえってきません。しかも、ラグナ―はウルフガ-を逆恨み。

 

 

この時点では、エイスリンはノルマン人を敵だとみなしています。

 

ウルフガーが領主に収まり、ラグナ―よりましになったとはいえ、気は許せません。

エイスリンは彼の慰み者にされるのか、情婦にされるのか、本当は気が気でない。

 

 

ラグナ―はノルマン人のボンボンですが、どうやらウルフガ-は庶子としてさげすまれ、剣一本、己の腕一つで今の地位を勝ち取ってきたらしい。彼は、口では、乱暴なことをいったりしますが、結構やさしいのだな、とエイスリンは気がつきます。

 

 

庶子としてさげすまれ、女嫌いでも有名なウルフガ-。でも、どこか優しく公正で、正義を貫く彼の姿に、エイスリンは少しずつ惹かれていきます。口は乱暴なんですけどね。

 

 

冷たく、美しい、人形のようなエイスリンが、ほんのり娘らしい態度をとるのはウルフガ-の前でだけ。

 

 

 

 

下巻でヒーローが激変。メロメロっぷりに苦笑。

 

孤独を映し出す灰色の瞳を持つウルフガ-に、エイスリンは心の中で愛を誓い、彼のただ一人の女になりたいと願います。そして、口には出しませんが、彼を喜ばせたい一心で、懸命につくします。

 

ところが、ウルフガ-は女嫌い。

女なんか、信頼するか。けっ。飽きたら、捨てればいいんだの考えの持ち主。

 

 

ウルフガ-の異父兄妹登場で、エイスリンはこれでもか、というくらい妹にいじめられますが、愚痴一ついいません。何かを欲しがる風でもない。もちろん、そんな彼女の健気さにウルフガ-は気がついています。

 

 

そして、エイスリンの柔らかな身体と唇に酔いしれ、彼に捧げられた愛の甘さに、彼の頑なな心が徐々解けていくのが、見どころです。下巻はウルフどころが、ドックガーくらいになってしまいます。牙ぬけたね。(笑)

 

エイスリンラブ。でも、絶対結婚はしないんですって。

 

 

この辺り、あくまで結婚を望むエイスリンと、エイスリンの愛はほしいけれども、結婚はしたくないウルフガ-のかけひきは、ちょっと笑えます。

 

 

キリスト教的な宗教観や時代背景からすると、未婚の母親になるのは非常にタブーなので、エイスリンが結婚にこだわるのはわかります。

 

 

といういより、彼が他の女にいってしまうのが嫌。イジメにあっても、愚痴一ついわないのに、ウルフガ-と結婚したい!という硬い決心、あれこれ結婚をにおわせる、エイスリン・・・あんた、すごいよの一言です。

 

 

彼の腕に中で、激しく乱れてしまう自分を恥じて、ことが終わるとベッドで泣きぬれるエイスリン。これも作戦か?(違うと思いますが・・・)と思うと、なかなかしたたかです。

 

 

これじゃ、娼婦と同じだわ、と内心思い泣きぬれる彼女をみて「キョトーン」のウルフガー。

 

よかったくせに、なんで泣くんだよ、と思いながら、彼女のご機嫌をとるために、シブチンなのに、財布の紐をゆるめてエイスリンにお洋服を買ってあげたりします。

 

もう、相思相愛なんだから、結婚してあげてちょ、ウルフガ-。って感じ。この辺りは上巻の陰鬱なイメージは全くなくって、純粋に甘ーいロマンスを味わえます。

 

 

 

そんな、いちゃいちゃぶりに目があてられないのですが、終盤、彼女の初めてのお相手だったラグナ―が、なんだかウルフガ-を陥れるべく、汚い手をつかってなにかたくらんでるらしい。そこには、エイスリンを妬む、ウルフガ-の妹も一枚かんでいて・・・・

 

 

 

 

なんといっても、やっぱりこの本のキモは最後のおち。

大どんでん返しで、目が点です。これは、本当に、さいごのさいごの、最後までわかりませんので、ネタバレ控えます。

私は、作品の最初と最後だけを先に読む癖があって(先にオチが知りたい)、超残念でした・・・・あせって先にオチは読むべからず!面白さ、半減しちゃうので、ご注意を。