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デボラ・シモンズ『悪魔の花嫁』を読んだ感想

中世を舞台にしたドレーシー家の兄妹の物語。第一作目。
一冊目は妹エイズリー、二冊目は兄ニコラスがそれぞれ主人公です。
読む順番は逆転しても理解はできますが、より一層楽しむには「悪魔の花嫁」から読まれるのをオススメします。
こちらはkindle化(2016/9/11現在)されておらず、入手がしにくいのが残念。
読む価値あり!の一冊です。
国王の命で結婚した二人。

 

 

美しいヒロインと悪魔と噂されるヒーロー。結婚から始まる二人のロマンスを描いた一冊です。
ゴシックな雰囲気の描写が、全体の不気味さが際立たせてる作品。雰囲気は満点です。

 

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おてんばヒロインのちょっとした出来心が大変な事態を招く

ヒロイン エイズリーは父親から譲り受けた財産を管理し女主人として領地を切り盛りしていました。そんなある日、国王の命令が下されます。

 

 

「1年以内に結婚せよ」
「自分の配下の騎士のなかから好きな一人を選ぶように」

 

 

兄と父を亡くしたエイズリー。
女性が一人で広大な領地を管理しているのは、のぞましくないと判断され、命令が下されました。エイズリーは内心、怒り心頭。

 

 

じゃじゃ馬なエイズリーが、国王の命令に素直に従うはずもありません。ひと泡を吹かせてやろうと、ちょっとしたアイディアを思いつきます。

 

 

それは、結婚の相手に「モンモランシー男爵」を指名することでした。
彼には黒い噂がありました。悪魔を崇拝している、黒魔術を行っているなど、身震いするような恐ろしい噂です。彼を夫に指名し、国王の意表をつく。そして、自分の結婚話をなくしてしまえばいい、とエイズリーは考えたのです。

 

 

ところが、国王は申し出を却下しませんでした。彼女と男爵との結婚を受け入れます。
身からでたさびとはいえ、エイズリーは黒い噂の男爵と結婚するはめになります。自業自得とはまさにこのこと。

 

顔も姿も知らない「悪魔」の彼に、何故か胸が高まるヒロイン

国王の命の背くわけにはいきません。エイズリーはしぶしぶモンモランシーの領地へ向かいました。

 

到着するやいなや、花嫁一行はビビりまくり。
城は汚れ、全体がなにやら、うすぐらい印象。しかも料理はまずい。
薄暗い部屋にとおされ、結婚相手と初対面です。

 

 

「モンモランシー男爵」がどのような人物なのか見ようとしても、よく見えません。
松明もろうそくもなく、彼の後ろで燃える暖炉の火だけが、大きな人影を映しているだけ。
不気味さが漂う描写が、読み手をぐいぐいひきこみます。

 

 

モンモランシー男爵は、自分が国王の命に従い、結婚する意志をエイズリーに伝えます。
逃れられない大ピンチ。

 

 

意図的に暗くしてあるのか、結婚式の最中も、花婿の顔がわかりません。結婚の誓いにお互いの手をとりあいます。エイズリーは、キスをする時、顔もわからない相手、モンモランシー男爵から抗いがたい魅力を感じてしまいます。ひとまず結婚してしまった二人。

 

 

暗闇と暖炉の火に照らされる部屋の中、心の距離が少しずつ縮まります。彼と接するのは常に暗闇の中、その声に、偶然 触れ合う身体に惹かれずにはいられません。

 

 

あー実にもどかしい。

 

 

モンモランシー男爵は、何者なのか。
エイズリーと結婚したのは何故なのか。

彼は彼女を愛しているのか。

 

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結局、国王仲人(?)のお見合い

後半、謎がとけ、じゃじゃ馬エイズリーが愛に目覚め、美しい女性へと変化する様子が楽しめます。

 

 

美しい彼女の姿を目にしたモンモランシー男爵の感動、震えるほどの喜びを感じるシーンは一押しシーンです
ヒーロー側の魅力も伝えられないのが残念。完全ネタバレになってしまうので、差し控えます。ああ、残念。