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エリザベス・ボイル『理想の妻のたくらみは』を読んだ感想

花嫁有力候補のセジウィック男爵。架空の妻を作り上げ、年頃の娘とその母親から、なんとか逃れていました。ところが、妻と名乗る女性があらわれ、自分の屋敷に居座っているらしい。

 

妻は、いるはずもない架空の存在なのに。この女性の正体は?

 

 

つまらない堅物といわれる男爵の恋の手腕も気になるところ。

 

 

登場人物は個性豊かで、エピソードも軽快。後半にいくほどスリリングな展開になり、ページをめくる手がとまらない作品です。

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序盤のあらすじを簡単にまとめます

舞台は1801年のイングランド。22代目セジウィック男爵(アレックス)は、堅苦しく、つまらない男性と評判です。それでも、莫大な財産を所有おり、社交界では有力花婿候補でした。

 

花婿候補として追い回されるのはうんざりしていたアレックスは、結婚を逃れるため、架空の妻を作り上げるアイディアを友人ジョンと思いつきます。慎重な計画かつ、知恵を絞り、作り上げられた理想の妻「エマリン」。病弱な体質を口実に、領地で静養している設定です。

 

誰とも顔をあわせず5年が経ちました。ある日、アレックスの元に心当たりのない多額の請求書が届きます。驚いたアレックスは、請求書の内容をしらべるうち、どうやら「自分の妻」が大金をつかっているらしい、とつきとめます。

 

驚いたアレックスは、いるはずもない自分の妻を確認するため、大急ぎで屋敷に戻りました。アレックスの不在をいいことに、「エマリン」と名乗る見知らぬ女が屋敷に入り込んでいたのです。

美しすぎる、自称 妻の「エマリン」アレックスは心がかき乱されるのを感じました。

 

感想です

かなり序盤から、二人は惹かれあいます。

 

なら、お似合いカップルで問題なし、といくはずなのですが、そこはストーリー上すんなりとはいきません。妻詐欺の女性は、心の中で「男爵は面白みのない堅物のはずなのに。なんて、素敵なの」と動揺します(笑)そして、妻のフリのはずなのに、どんどん彼に惹かれていっちゃう。

 

 

一方、アレックスは、詐欺師まがいのことをしている「エマリン」の正体を暴き、追放してしまいたいけれど、そうすれば自分の「妻」ではなくなってしまうという葛藤。

 

まったく、二人とも、お熱いね!

 

 

エマリンも最初こそ、図々しい神経の太い女だな、と印象よくありませんでしたが、使用人のかたきうちとばかりに、身分をかくしカード賭博に出向くなど、大胆な中にもお節介で憎めない性格とわかっていきます。

面白みがなく、堅物と評判のアレックスと、お節介で詐欺師まがいの自称エブリンの恋の行方には、最後の最後までハラハラです。

脇を固める登場人物も個性的。従兄のヒューバード夫妻、秘密の過去がある祖母。

 

 

最後は畳みかけるようなストーリー展開で、エンターテイメントとしては面白い、おすすめの一冊です。

 

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