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サンドラ・ブラウン『言いだせなくて』を読んだ感想

牧師館手伝いのジェニーと石油試掘者ケージのロマンス。

 

 

ジェニーは幼いころ、両親をなくしヘンドレン夫妻に引き取られます。夫妻には二人の息子ケージとハルがいるのですが、夫婦は次男のハルを猫かわいがり。牧師という職業もあり、品行方正で優等生な次男を溺愛です。

 

一方、女ったらしでろくでなしのレッテルの長男ケージは鼻つまみもの。ひとかけらの愛情もかけられてません。

 

そんな、兄弟格差があたりまえの家族の中で、ジェニーは少女から大人に成長。夫婦の祝福をうけハルと、めでたく婚約したのですが、結婚を目の前にして、ハルは亡命者の救済のため内戦はげしいモンテネグロにいくと言い出します。

 

危険を承知でいくと言い張るハルに、捨て身でジェニーは「いかないで!」と伝えるのですが、そこにケージがからんで一波乱、いや二波乱?

 

もっぱらロマンス中心で、ハラハラドキドキは全くせず。サクッとよめる作品ですよ。

 

 

星をなくした夜』に登場したアツアツ夫婦のケージとジェニーの物語。『星をなくした夜』よりもこちらを先によむのをお勧めします。

 

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『言い出せなくて』のあらすじ(ネタバレ)と感想

 

次男ハルは溺愛。長男は鼻つまみ。派手な車を乗り回し、女あそびに余念がない。町でも評判わるいんです。

 

でも、ケージはほんとうはジェニーに片思い中。何年も何年も、ずっと心に秘めてきています。でもヘンドレン夫妻は弟ハルを溺愛してるので、ケージは自分が割り込むすきがない。いつも、モンモンとした思いを抱えています。

 

ハルとジェニーがハッピーエンドなら、ケージもあきらめがついたでしょうが、ハルがどうやら危ない仕事に手を出すらしい。といっても、亡命者救済。

 

道徳心あついヘンドレン夫妻は、ハルの崇高な心意気に「よく決心した、さすがハル」と絶賛。でも、ジェニーとケージは、内心穏やかじゃありません。

 

 

危険を伴う行動に、ケージは弟を案じ、ジェニーは婚約者の身を案じます。やんや、やんやでもりあがるヘンドレン夫婦とハルに「反対だ!危ない!」と、二人は言い出せずじまい。

 

そこで、内線地に旅立つ前夜、ジェニーは一大決心をして、ハルを引き留めようと行動にでます。女の武器ですよ~(笑)いかないで、と彼女は大胆にも迫ります。

 

ところがどっこい、ハルはヘンドレン夫婦のご自慢の、清廉潔白な紳士!

 

 

 

ジェニーに「結婚前はいけないヨ」といって、彼女の差し出す据え膳をいただかず・・ジェニーはハルに拒否され、胸の痛みが張り裂けんほど。

 

 

彼がジェニーの部屋から出て行って、しばらくして部屋に戻ってきてくれた時には、「ああ、考え直してくれたのね」とすべてを投げ出し・・・・てしまうのですが!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ま、まさかの・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・人違い(?)

 

 

泣きくれるジェニーを優しく包み込み、すべてを愛してくれるのはハルではなく彼の兄。という展開の出だしです。

 

 

言い出せないのは「ケージ」。彼女を抱いたといいだせなくて、彼女を愛してるといいだせなくて。弟の婚約者を奪ってしまった自分が許せない。

 

 

まぁ、言い出せないのも無理ないわな~という展開。

 

ヘンドレン夫婦のハルへの執着が気味悪い。毒親ふたりはケージにひどい言葉をなげつけます。そんな様子を何年も目の当たりにしてるジェニー。同情しつつ、彼にひかれていることを自覚し始めるのですが「あの事実」を全くしらず。

 

「ジェニーは、弟になりすまして彼女を抱いたケージを許せるのか!」が見どころの作品です。

 

 

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