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ステイシー・アブサロム『イシュベルの誕生会』を読んだ感想

十代の頃、自働車で幼い少女をひき殺してしまったべサニー。彼女の運命は、親友イシュベルの誕生会で大きく狂い始めました。何故べサニーは、誕生日会の帰りに飲酒運転をしてしまったのか。そこには、イシュベルの兄フレイザーへの抑えがたい想いが隠されていました。

べサニーの罪の意識と贖罪の思いが暗く語られ、明るく楽しそうな表紙からは想像しがたいストーリーです。

 

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『イシュベルの誕生会』のあらすじ&感想

世界紛争が起きる地域で看護師として命をかけて仕事をするべサニー。国際救護部隊に所属し、医療に従事してきました。そんな彼女が、炸裂弾で負傷し休養を余儀なくされます。

 

べサニーをよく知る救護部隊の隊長は、傷ついた身体に鞭打つような生活を改めようとしないべサニーに、彼女を静養させるべく、とある裕福な老婦人の個人看護を紹介します。
劣悪な環境に再び赴き、医療に従事するにはまだ回復していない。

 

何らかの使命感を感じさせれば、おそらく彼女も静養するだろう。
彼女の荷物はトランクとわずかばかりのもの。

 

給料さえも、慈善事業へ差出し、自分の幸せとなる総てを遠ざける姿が痛々しい。静養兼、新しい仕事先のイギリスに向かったべサニーは、老婦人ローナの屋敷で思わぬ再会をします。

 

ローナは、かつての彼女の親友イシュベルと親戚でした。彼女がローナの屋敷で、顔を合わせたのは、イシュベルの兄フレイザー。少女の頃から恋い焦がれ、いつか彼と結婚できたら、と夢見た男性。

 

あのべサニーが起こした事故の後、イシュベルとフレイザーとは関係をたっていました。
自分が起こした罪の重さを考えれば、距離を置かれても仕方ないと考えるべサニーですが、再会したフレイザーの敵意に驚かされます。

 

それほど、自分が軽蔑されていたのか。
フレイザーの投げつける言葉は酷いものばかり。

 

看護師なんて、嘘をついて、ローナ伯母に取りいるなんて、どんなたくらみがあるんだ。
アメリカで、数々の男を渡り歩いてきたんだろう。

 

 

何を言われても、どんな誤解をされても、甘んじて受けるヒロイン。すべての誤解と策略を一身に引き受け、読み進める程に悲しさが増していきます。

 

ヒーロー フレイザーの暴言、あてこすり、そして同情と後悔さえもが、べサニーにとって人を殺めてしまった罪の意識の前ではもはや無意味

 

そして、親友イシュベルとの再会でクライマックスに向かいます。

 

イシュベルしか知らなかった真実とは。終盤、べサニーを陥れる策略が明るみにでる下りから、ハッピーエンドへ向かいますが、これがかなり引っぱりますので、短いながらも楽しめる作品です。

どちらかというと泣かせるロマンス。明るく楽しいストーリーでは、ありませんので、ご注意を。テイストとしてはこちらが近いですね→スーザン・フォックス『黒い羊』