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J・R・ウォード『この手はあなたに届かない』を読んだ感想

家事手伝いのジョイと政治コンサルタントのグレイのロマンス。

 

 

舞台はアメリカニューヨーク州の北部。ジョイは、認知症の祖母の世話と実家の家事手伝いをして、ひっそりと暮らしています。ほとんど地元から離れたことのない彼女が、長年片思いをしている男性がグレイ。。

 

 

夏のがくると避暑にやってくる都会的な彼に、心惹かれ、もう幾たびも夏が過ぎ去りました。もうすぐ27歳。純朴なジョイは、男性経験もありません。ただ、遠くから、彼を見つめるばかりです。

 

 

汚い政治の世界を知り尽くす、世慣れた都会の男グレイと、純朴なジョイのロマンス。
ジョイの清らかさと、どこかスレてしまったグレイのすれ違いが、なんとも切ないお話です。

 

 

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『この手はあなたに届かない』の感想(ネタバレ)

 ヒーロー グレイの屈折ぶりに手を焼く作品。面倒くささといったら、かなりのもの。

 

お相手のジョイはというと、男慣れしていない素朴な女性なので、屈折ヒーローに全般戸惑い気味。でも、そんな戸惑いはなんのその。グレイは序盤から「かわいいジョイ」と心の中で連発。かなり、笑えます。

 

 

遊びで付き合う女性は沢山いても、グレイにとってジョイはアンタッチャブル。

 

 

ジョイのあまりの清らかさに手が出せないんですって。自分が触ったら穢れてしまう!でも、ちょっと怒っている顔をみても「かわいいなぁ」と思うの繰り返し。。いやいや、そんな好きなら個人的に付き合えばいいのにネ!

 

 

二人が急接近したのは、お互い付き合ってる人がいるとの誤解から。長年の片思い(同士)に、いよいよ終止符をうつ時がきたと、二人とも思うのですが、(二人とも!)あきれめきれません。

 

 

ジョイの方は、悲しみにくれてるんですが、なにゆえにか、グレイの方はなんとジョイを「身持ちの悪い女」だと思い込んでしまいます。なんと!!極端な!!

 

 

グレイの中では、「聖女」か「娼婦」の2択しかなく、「かわいいジョイ」から一転「男を惑わす悪い女」扱いです。ジョイがちょっと知り合いの男性と親しくしていたり、見知らぬ男性と会話をしていたりしようものなら、嫌味一発。

 

 

ジョイは、軽くあしらえるほど、強くもなければ、経験もないので、ただただ戸惑うばかり。そして、グレイが自分の誤解だとわかり、二人が想いを交わす段階になると、今回は自分の「誤解」の罪を贖うために「禁欲」。え?どういうわけ?

 

 

ジョイは何がなんだかわかりません(私もだけど)。なまじ優秀な男性だと、屈折度半端ない。

 

 

グレイの心の闇は深く、ジョイの手は、彼に届きそうで届かないんですね。めっちゃ、素敵なタイトル!

 

 

グレイの目はいつ冷めるのか?!(笑)まぁ、この人の友達だから闇深くても仕方ないですね。⇒「夜明けを待ちわびて」のショーンなんと、グレイはジョイが10代の頃からの顔見知りらしい。気が長いー。

 

この手はあなたに届かない

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