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リサ・クレイパス『冬空に舞う堕天使と』<壁の花シリーズ3>を読んだ感想

リサクレイパス ヒストリカル作品<壁の花シリーズ>の第3作目を紹介します。

 

 

今回のヒロインは、壁の花メンバー 内気なエヴィー。内気な彼女は、会話をすると、うまく言葉がでてこず、つっかえてしまいます。貴族の殿方からは、彼女との会話は勘弁願いたいと、残酷なコメントをされてしまう彼女。

 

 
ヒーローはウェストクリフ伯爵の幼馴染 セントヴィンセント卿。

 

 
彼と30分過ごしただけで、汚れた女のレッテルをはられてしまうというモテ男の噂の持ち主。危険なモテ男セントヴィンセントと内気なエヴィーの切ない愛の物語です。

 

 

 

 

前回までのあらすじ

ストーニー・クロス・パークでの出来事。

リリアンとウェストクリフ伯爵の距離が縮まりつつある中、突然リリアンが連れ去られます。

犯人は、ウェストクリフ伯爵の幼馴染セントヴィンセント。彼は、裕福なリリアンとの結婚で、破産に瀕した自分の窮地を、なんとかしようと考えていました。
彼女の気持ちを自分にむけたいと、強引に連れ去りました。

間一髪でリリアンはウェストクリフ伯爵に助け出だされます。セントヴィンセントは、計画が失敗に終わり、ロンドンへかえりました。

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「私と結婚してください」内気なエヴィーの切なるお願い

ある日の夜半、エヴィーはセントヴィンセントに「ある提案」をするため、彼の屋敷を訪れました。セントヴィンセントは思わぬ来訪者に驚きます。エヴィーを目の前に、自分の愚かな過ちに想いを馳せていました。
どうせ誘拐するなら勝気なリリアンではなく大人しい娘にすればよかった。自分は相手を間違えてしまった。
セントヴィンセントのエヴィーに対する批評は辛辣です。自分を目の前にして、動じないエヴィーに対し

 

 

「泣き出すか、赤くなるかしないなんて、おつむが足りないか、神経が太いんだ」
「スタイルの悪い、赤毛のやぼったい娘」

エヴィーは、つっかえながらも屋敷に訪れた理由を伝えます。

  • 自分には、離れて暮らす父親がいること。
  • 父親は病に伏していて、長くはないこと。

 

 

なかな本題に入らないエヴィーにセントヴィンセントは「そろそろ退屈してきた」
エヴィーは、つっかえながらも続けます。

 

 
親戚の家に世話になっており、父親に会わせてもらえない。
どうしても、父親の最後を看取りたい。

 
そして、親戚の息子と結婚をさせられ、自分が相続するであろう財産を横取りされてしまうこと。
最後にエヴィーは、強さを見せセントヴィンセントに伝えます。
「私はあなたに結婚の申し込みをしているのです」
エヴィーの父親は元闘拳家で、賭博クラブの「ジェナーズ」のオーナー。母親は、すでになくなっており、男親だけで娘を育てていかなくてはいけなくなった娘を心配し、エヴィーを彼女の母親の親類に預けたのでした。
それが裏目にでて、エヴィーは親戚の家でひどい扱いをうけていました。

 

 

セントヴィンセントにとっては渡りに船でした。このままでは破産すること間違いありません。身分は高いけれど、金はない。しかも、良質な生活になれきってしまっているときています。
二人は便宜結婚に同意をし、急いでスコットランドに向かうことにしました。
そして、法的に有効な結婚とするため、事実上1回だけベッドをともにする約束をしたのです。

 

退廃的なヒーローと内気なヒロインのアンマッチが絶妙な味

 

今回は賭博クラブ ジェナーズが舞台。荒くれものの喧嘩や、銃撃などエピソードは刺激的です。

 

全体として、中だるみもなく、のめりこむように読め、シリーズ一押し作品です。

まぁ、セントヴィンセントは、悪いやつじゃないけど、金づかいは荒いわ、女にだらしはないわ、友人の婚約者の誘拐未遂をやらかすわ、の人物で、ちょっとした子悪党。

 

 

 

それが、いかにも痛々しい様子のエヴィーと心を交わし、男として、人として一回りも二回りも大きくなっていく過程が見どころです。

 

 

まぁ、この結婚も、最初は財産目当てなんですけどね(笑)きっかけと、スタートがゲスイ感じだからこそ、自分自身の生き方への後悔や、ヒロインに相応しい男でありたいと強く思う場面は、心が動かされます。

 

 

愛って偉大。
終盤、お互いの想いを確認するシーンは、グッときます。エヴィーの気持ちは「あなたを愛しています」とストレート。
一方、セントヴィンセントはエヴィーを愛するが故に、純真なエヴィーに相応しくないと葛藤します。
「もう一度、やり直すことができたなら!私はきみに似合うような男になるよう努力するのだが」
愛するが故の葛藤と苦悩をしばし堪能。胸キュン、シリーズ一押しです。

▼シリーズ次回作はこちら▼

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