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ロマンス手帖

ハーレクインロマンスなどの海外のロマンス小説の感想ブログ。あらすじの紹介です。多少のネタバレあり。

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サラ・ウッド『氷の女王』を読んだ感想

サラ・ウッド『氷の女王』を読んだ感想

大学生ジェンマとイタリア人伯爵ヴィットリオのロマンス。

 

父親の仕事の付き合いでイタリア人伯爵をおもてなしするジェンマ。母親が小さい頃に亡くなり、小さなころから女主人として家を切り盛りしています。

 

ジェンマはセクシーなイタリア人伯爵にひとめぼれ。ヴィットリオも、かつてない情熱を感じ二人は一気に惹かれあうのですが…。

 

ジェンマ兄のダメさ加減が半端なく手がつけられない。こいつのせいであらぬ誤解をジェンマはうけてしまい、ヴィットリオから「尻軽女」の烙印を押されてしまいます。

 

父親がなくなり、突然兄も亡くなり、天涯孤独の身の上になってしまったジェンマ。兄の葬儀で登場するかつてに恋のお相手ビットリオは、彼女に驚きの事実を伝えます。

 

兄はジェンマの預金に手をつけており、さらにヴィットリオに借金をしていたのです。

 

屋敷も抵当にはいってしまい、住むあてもない。大学生活も続けられるのか。

途方にくれるジェンマに救いの手を差し伸べたのはビットリオ。

 

いかにもハーレクイン的なストーリー展開がお好きな方はぜひどうぞ。

 

 

『氷の女王』を読んだ感想

 

ジェンマの兄は女にだらしなく、金づかいもあらい。父親がなくなり、ビジネスを引き継いっだ時も真面目に仕事をするわけでもなく、金ばっかり使うようなダメな奴。

 

そんな兄と、ビットリオの親戚の女性が結婚したこともあり、ジェンマにとってビットリオは単に父親のビジネス仲間という男性ではなく、姻戚関係でもあるんですね。

 

兄の葬儀にきたのも、一緒に亡くなった兄嫁の葬儀にでるため。ヴィットリオにとって親戚になりますからね。

 

ジェンマはかつて、ビットリオから手ひどくあしらわれた記憶があり、頑なな態度をくずししません。彼女の態度はまるで氷の女王。

 

ビットリオは、とある誤解からジェンマを「尻軽女」と誤解をするのですが、金もなく、行く当てもないジェンマを見捨てるワケにはいきません。なんたって、本当はすきなんですから(笑)

 

ぼんくら兄の放蕩ぶりから考えて、ジェンマもどうせ同じだろう、と決めてかかる態度はゆるすまじ。イタリアにジェンマを連れて帰り、ビジネスを教えこむという名目でアチコチ連れまわします。

 

ビットリオは、おりにつけジェンマをこき下ろすし、ジェンマも氷の女王ですから、頑として本当のことを言いません。

 

ビットリオの弟と、ジェンマが、ちょっと自分の見てないところで会話しようものなら怒り心頭。悪女から、弟まもるのだ!とかなんとかいってますが、単なる嫉妬ですよ。嫉妬。みぐるしいなぁ(笑)

 

結局、彼女が尻軽だったという事実はなく、まぁ、アレですよ。ストーリーが進み例の定番の方法で証明されて、驚きのビットリオ。

 

「なぜ言ってくれなかったんだ!!」と驚きと嬉しさに興奮気味で、ハッピーエンド。

 

「いってくれない、と詰るけど、いっても聞かなかったでしょうよ!」と突っ込んであげてください。

キャスリーン・E・ウッディウィス『冬のバラ』を読んだ感想

キャスリーン・E・ウッディウィス『冬のバラ』を読んだ感想

ヒストリカル・ロマンスのファーストレディの呼び名に相応しいキャスリーン・E・ウッディウスの作品。昼ドラにしても申し分ない、典型的なザ・ロマンスです。

冷たい風が吹きすさぶ季節に萌えいずる真紅の薔薇。
まさにヒロイン エリエンヌそのもの。

 

 

 

母親は死に別れ、賭博ぐるいの父親と、身体の不自由な弟と三人で、貧しい暮らしをしていますが、凛とした風格はまさに貴婦人。彼女の行動はおろかでもあり、そして気高くもあります。

 

 

 

ソフトバンク文庫から、上下二冊で発行されています。ちょっと長いので、序盤中だるみもありますが、エリエンヌの競売にかけられる場面から盛り上がりますので、ご安心を。

 

父親は名ばかり町長。貧しさのあまり動物のように競売にかけられるヒロイン。

エリエンヌは、美しさ故に様々な苦境に陥りますが、この娘、ちょっとやそっとじゃへこたれません。浅はかな父親は自分の賭博の借金のカタをつけるために、彼女を金持ちの家へ嫁に出し、たっぷりお金をせしめるつもりだったのですが、いやいや、なかなかやってくれますよ(笑)

 

 

紳士とは名ばかりの婚約者候補の男たちは、香り立つようなエリエンヌの身体だけが目当てで、それはそれは、舌なめずりしながら彼女の若さと美しさを堪能しようと手ぐすねひいています。

 

 

この不潔!!と、エリエンヌは紳士たちをぴしゃり。暖炉でつかう鉄の棒をもって、悪い輩と応戦したり、理不尽だと思えば身の危険を顧みず、家を飛び出してしまいます(笑)

 

 

気骨があるというか、なんというか。ま~、この威勢のいいこと。

 

 

結局、どんな候補を連れてきても、娘がはねつけるので、父親は彼女を「嫁としていらんかね?」と競売にかけることにします。
酷い。牛や馬のセリのようです。

 

 

それでもエリエンヌは負けません。ただ、実の父親にそんな仕打ちをされて傷ついた心を隠し、最後まで気位たかくせり台にのっている彼女は実に哀れです。

「好き」と言えない彼女の想い人は父親と弟の仇

彼女の父親は、いかさま賭博の常習犯。

 

 

そのいかさまを見破ったのはアメリカからやってきたクリストファーです。彼はいくつもの商船を持つ大金持ち。そして当然ながらモテ男です。

 

 

父親の名誉を守るためと、エリエンヌの弟はクリストファーと銃で決闘。
その時に負傷した怪我が元で、腕が不自由になってしまいました。

 

 

 

憎きクリストファー!!!

もちろんエリエンヌは、自分の父親が、いかさま賭博の常習犯だとは知りませんし、弟も父親を信じ切っています。
クリストファーに対して、最初こそ敵意むき出しなのですが、実際会ってしまうと彼の男の魅力にまいってしまって、口ではいろいろをいいますが、恋心はつのるばかり。
そして、彼も美しいエリエンヌに夢中になり、浅からぬ因縁の一家の娘としり残念に思います。

 

 

その後、何度も、クリストファーは彼女に結婚を申し込みますが、ゲスい父親は「お前にだけは結婚を許さん」断固として認めません。エリエンヌ自身も、クリストファーをつっぱねます。

 

 

 

そんな彼女にひとこと「誇り高く、愚かだな」(たしかに)

競売にかけられた方がいいという、彼女は実に愚かです。うそばっかりエリエンヌ。

後悔するなよ~(笑)

 

火事で行方不明だった謎の男 サクストン卿登場

彼女を競売でせりおとしたのは、火事で行方不明だったサクストン卿。足をひきずるように歩き、顔は火傷のため、黒い革の仮面で覆っています。ジェイソンみたい?

 

 

とにかく、黒衣と仮面、手袋で覆われた彼は不気味そのもので、エリエンヌはサクストン卿の「妻」となることに震え上がってしまいます。

 

 

ところが、このサクストン卿。なかなかの紳士。エリエンヌの心の準備が整うまで、実施的な結婚は待つよ、と言ってくれます。でも、彼が強くエリエンヌを求めているのは一目瞭然。みかけだおしの紳士たちに、身体をなでくりまわされてきたエリエンヌは、彼の穏やかで誠実な態度に少しずつ心を惹かれていくのですが、ここで彼女の気持ちは揺れ動きます。

 

 

イケメンで、モテ男のクリストファーが、モーション。いいのか、不倫だぞ(笑)

 

 

 

姿形が醜くも、彼女を淑女のごとく扱ってくれる、真の紳士 サクストン卿か。
それとも、結婚してからも強く彼女を求めるクリストファーか。

 

 

 

いけないと思いながらも、二人の間で揺れ動くエリエンヌ。

 

 

 

そうこうしているうちに、サクストン卿がかつてあった火事について犯人捜しが進みます。屋敷や親族たちが火にまかれ、多くをうしなたあの悲劇。そこにサクストン卿だけではなく、クリストファーも関係しているらしい。

 

 

上巻はプラトニック。下巻は、サクストン卿と実質の夫婦になり、それでもクリストファーに惹かれる恋心が描かれ、やや濃密。
人によっては設定NGかもしれませんので、ご注意ください。

私は大いにもりあがりました。ああ、ネタバレになっちゃうので、これ以上かけないのが残念です。バレバレだと思いますが、やめておきます(笑)

エリザベス・ボイル『まだ見ぬ公爵からの求婚』を読んだ感想

エリザベス・ボイル『まだ見ぬ公爵からの求婚』を読んだ感想

玉の輿を夢見つつも、どこかロマンチックなフェリシティと、彼女に正体を明かせず紋々とするホリンドレイク公爵のロマンス。

 

 

文通相手との結婚を夢見るヒロイン、フェリシティは玉の輿願望満々。

花婿候補に白羽の矢をたてた「ダントン卿」と文通を交わすまでにこぎつけます。

 

ところが!!そのお相手は、当の本人ではなく、ダントン卿のおじいちゃん(笑)

勝手に孫の名前を使い、(ちゃっかり)彼女と文通してたのです。
老公爵が亡くなり、爵位を引き継いだダントン卿ことサッチャーは「じいさんの策略」が発覚し、大慌て。フェリシティに惹かれながらも、自分自身に嫉妬するヒーロー ジレジレ作品でございます。

 

 

序盤のあらすじを簡単にまとめました

大胆にも、公爵夫人を夢見るフェリシティ。

彼女のロマンスのお相手はダントン卿。文通をとおして彼との仲を深めているのですが・・・

 

知らぬは本人ばかりなり。

彼女の文通のお相手は、ダントン卿ではなく、そのおじいさんの老公爵&秘書だったのです。今でいうなりすましですな(笑)

 

老公爵と秘書の強力タッグのなりすまし。

 

「これくらい厚かましい娘なら、あのろくでなしを従わせるだろう」

 

老公爵は、素行の悪い孫に手を焼いており、ちょっとぐらい図々しい娘の方が、お似合いじゃろうと、フェリシティに目をつけたわけです。

 
その後、老公爵は亡くなり、ダントン卿が爵位を引き継ぎます。

フェリシティは文通をしていた相手が天国に召されたとも知らず、「いよいよ、公爵になったダントン卿と結婚するのかしら」なーんて、想像しちゃったりしてて、なんだかちょっとかわいそう。

 

 

勿論、本物のダントン卿はフェリシティを知らないので、文通は途絶えたまま・・・

ぎりぎりの生活をしていたフェリシティは、親密だったダントン卿(偽)からの手紙もこず、連絡もこず、心細い本音を押し隠し、ぎりぎりの生活を余儀なくされます。
いったい、どれくらまてるのかしら。
そんなとき、家にある男性が登場します。

 

募集をかけていた、新しい従僕?

 

 

感想です

フェリシティは、大胆でもあり現実的な女性。公爵夫人を夢見る一方、苦しい財政をすくうのは自分の結婚だけだ、と覚悟を決めています。

 
愛や恋、ロマンスなんて、私には関係ないわ、と思いながらも、彼女の妹や従妹たちを本当はうらやましく思っているあたり、ゆれる乙女心が、なんとも可愛い。

 

 

そんなときに、登場したサッチャー(本物のダントン卿)。
彼の正体は、爵位を引き継いだばかりの若き公爵なのですが、フェリシティは屋敷に訪れたサッチャーを、募集していた従僕希望者と勘違いし、強引に「お仕着せ」を渡します。

 

 
実はサッチャーは、爺さんの文通の件で訪れたのですが、強引なフェリシティにタジタジ。誤解を解かず、そのまま何故か、従僕のフリをすることになってしまいます。

もう、このあたり、フェリシティの闊達な性格がでてますよ。

 

 

結局、サッチャーは自分の正体を切り出せず、ずるずると従僕のフリをするのですが、だんだん二人は惹かれあっちゃうんですね。

 

 

経済的に貧窮している自分たちを救うのは、文通相手の公爵と結婚するしかないと思い込んでるフェイリシティは、サッチャーへ恋心と同時に罪悪感も抱きます。

 

 

 

自分の気持ちを抑え込むのは単なる玉の輿狙いではなく、それが一番彼女にとって「現実的」な方法だから。なかなかしたたかで厚かましい顔を持つフェリシティの、ちょっと切実な顔がチラリとのぞく部分。

 

 

見たことも会ったこともない公爵と、従僕との間で揺れ動く恋心。

 

 

そんな彼女が、後半、まだ見ぬ公爵との関係をふりきり、従僕サッチャーとの恋選ぶ姿が胸キュンです。

 
ヒーローが早く自分の正体をあかしていれば、悲しまなくてすむのに・・・
なかなか、ひっぱります(笑)

 

ところで、フェリシティは『独身男性名鑑』という独身男性の詳細情報が掲載されている謎の本を片手に、いろいろ恋愛の作戦をねるのですが、私は、かつて少年ジャンプで掲載されていた宮下あきら氏の『魁!!男塾』にでてくる『民明書房』を思い出しましたよ。
古いですかね?(笑)

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エリザベス・ボイル『理想の妻のたくらみは』を読んだ感想

エリザベス・ボイル『理想の妻のたくらみは』を読んだ感想

花嫁有力候補のセジウィック男爵。架空の妻を作り上げ、年頃の娘とその母親から、なんとか逃れていました。ところが、妻と名乗る女性があらわれ、自分の屋敷に居座っているらしい。

 

妻は、いるはずもない架空の存在なのに。この女性の正体は?

 

 

つまらない堅物といわれる男爵の恋の手腕も気になるところ。

 

 

登場人物は個性豊かで、エピソードも軽快。後半にいくほどスリリングな展開になり、ページをめくる手がとまらない作品です。

 

序盤のあらすじを簡単にまとめます

舞台は1801年のイングランド。22代目セジウィック男爵(アレックス)は、堅苦しく、つまらない男性と評判です。それでも、莫大な財産を所有おり、社交界では有力花婿候補でした。

 

花婿候補として追い回されるのはうんざりしていたアレックスは、結婚を逃れるため、架空の妻を作り上げるアイディアを友人ジョンと思いつきます。慎重な計画かつ、知恵を絞り、作り上げられた理想の妻「エマリン」。病弱な体質を口実に、領地で静養している設定です。

 

誰とも顔をあわせず5年が経ちました。ある日、アレックスの元に心当たりのない多額の請求書が届きます。驚いたアレックスは、請求書の内容をしらべるうち、どうやら「自分の妻」が大金をつかっているらしい、とつきとめます。

 

驚いたアレックスは、いるはずもない自分の妻を確認するため、大急ぎで屋敷に戻りました。アレックスの不在をいいことに、「エマリン」と名乗る見知らぬ女が屋敷に入り込んでいたのです。

美しすぎる、自称 妻の「エマリン」アレックスは心がかき乱されるのを感じました。

 

 

 

感想です

かなり序盤から、二人は惹かれあいます。

 

なら、お似合いカップルで問題なし、といくはずなのですが、そこはストーリー上すんなりとはいきません。妻詐欺の女性は、心の中で「男爵は面白みのない堅物のはずなのに。なんて、素敵なの」と動揺します(笑)そして、妻のフリのはずなのに、どんどん彼に惹かれていっちゃう。

 

 

一方、アレックスは、詐欺師まがいのことをしている「エマリン」の正体を暴き、追放してしまいたいけれど、そうすれば自分の「妻」ではなくなってしまうという葛藤。

 

まったく、二人とも、お熱いね!

 

 

エマリンも最初こそ、図々しい神経の太い女だな、と印象よくありませんでしたが、使用人のかたきうちとばかりに、身分をかくしカード賭博に出向くなど、大胆な中にもお節介で憎めない性格とわかっていきます。

面白みがなく、堅物と評判のアレックスと、お節介で詐欺師まがいの自称エブリンの恋の行方には、最後の最後までハラハラです。

脇を固める登場人物も個性的。従兄のヒューバード夫妻、秘密の過去がある祖母。

最後は畳みかけるようなストーリー展開で、ややご都合主義的ではありましたが、エンターテイメントとしては面白い、おすすめの一冊です。