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ロマンス手帖

ハーレクインロマンスなどの海外のロマンス小説の感想ブログ。あらすじの紹介です。多少のネタバレあり。

リンダ・ハワード『バラのざわめき』を読んだ感想

リンダ・ハワード『バラのざわめき』を読んだ感想

ベストセラー作家、リンダハワードの日本初の作品。
1983年の作品で、ちょっと古いのですが、初々しく勢いのあるロマンス小説です。
ヒーローは、ギリシア人、富豪、傲慢の三拍子。
強引とも思える行動の裏には、ヒロインへの激しすぎる情熱。いや、欲望(?)か。

びっくりするぐらいヒロインの話を聞かない態度に、驚きを通り越して驚愕の作品です。

 

 

序盤のあらすじを簡単にまとめました

ジェシカは資産家の未亡人。18歳の時に、76歳の男性と結婚。
孤児で貧しかったジェシカを救い出し、家族にしてくれたのがジェシカの亡夫ロバートです。

夫亡き後、ジェシカはゴシップにまみれ。財産目当てに、自分を売った女。
世間からの冷たい視線に耐えられず、彼女はひっそりと暮らしていました。
ある時、ジェシカはコン・テック社の社長ニコラスと出会います。

 

 

コン・テック社の株を所有しているジェシカ。ジェシカの所有している株をなんとか買い取りたい、とニコラスは申し出ます。

 

 

ニコラスの態度は冷ややかなもの。
お金をつめば当然、ジェシカは株を売り渡すと考えています。

 

 

「自分の肉体の若さを七十六歳の老人に売り渡したくらいだから、あなたの優先事項リストのかなり上位に金銭的利益があることは間違いない」

 

感想です

 

ニコラスとジェシカ、二人ともプライドが高いので、最後まで素直になりません。

 

猫がシャッーっと、威嚇しているみたいなんです。

 

彼女はゴシップとは裏腹に、男性経験は全くないのですが、ニコラスはその事実をしりません。ジェシカのゴシップを信じ切っています。
ジェシカを強く求めるあまり、何かと彼女につらくあたってしまう・・・ニコラスは、ジェシカの、ありもしない男性遍歴に一人葛藤。可哀想っていえば、可哀想なんですが、あまり同情できないのはなぜでしょう?(笑)

ジェシカが誤解を解こうと、何度か真実を切り出そうとしても

「知りたくない」
「ほかの男がきみになにをしたかなど聞きたくはない。平気だと思ってはいたが、やはりだめだ。嫉妬のあまりどうにかなりそうだ。ほかの男の話はいっさいしないでくれ」

ニコラスはジェシカの口元に人差し指あてて、目を閉じながらノンノン?(想像)。

 

独占欲も人一倍。彼の心はざわめきっぱなし。

市場価格よりも高値でジェシカの株を買い取ろうとするのも、彼女が金目当に他の男性を誘惑しないようにするため。

ジェシカを愛人にし、結婚は別の女性とすると言い切るニコラス。ですが、他の女性との結婚で、ジェシカに対する気持ちは変わりはしない、と言い切ります。

 

結婚するつもりなら、別れるとか、そうでなければ、もうちょっと申し訳なさそうにしていただきたい!自信満々な態度は、さっすがリンダ・ハワードのヒーローって感じですよ。

 

その根拠のない自信は、いったいどこからくるのかね?

 

ジェシカを愛してるが故なのか、彼が自分勝手なのか。一途なのか、嫉妬深いのかギリギリのラインの言動。愛ゆえの葛藤か、寸止めの怒りか、とにかく、ニコラスは始終プンプン怒っています。

 

 

この怒りは、ひょっとして不安の裏返し?ニコラスの複雑な一面、愛情深さ、家族思いの顔を垣間見れるのはかなり後半です。

 

 

強引なヒーローがお好きな方は読み応えがありますよ。いやぁ、でも彼のやり口はかなりのものですので、覚悟してお読みくださいませ。

 

 

 

残念ながら『バラのざわめき』は、中古流通でしか手に入らない本です。古本を変える通販サイトの特徴をまとめました。絶版本など手に入れたい方はこちらからどうぞ(^^♪

 

中古本の紹介サイトの特徴まとめ

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ダイアナ・パーマー『悲しみをとめて』<テキサスの恋 7>を読んだ感想

ダイアナ・パーマー『悲しみをとめて』<テキサスの恋 7>を読んだ感想

テキサスの恋7作目。
どこか影のあるトレメイン家の次男ハーデンがヒーローです。
偶然、出張先のホテルでヒロインのミランダと出会いました。彼女は、先日夫を亡くしたばかり。訳ありの二人同志のロマンスが、トレメイン家兄弟に助けられどのように発展するのか目が離せない作品。

 

ぽっちゃり女子が、モテモテなのですが、この作品、その逆いってます。

 

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リサ・クレイパス『同居生活』を読んだ感想

リサ・クレイパス『同居生活』を読んだ感想

未亡人ヒロイン ホリーと、元闘拳家の青年実業家ザックのヒストリカルラブロマンス。
貴族社会のしきたりやマナーを教える教師と生徒の関係が、いつのまにかロマンスに発展。たおやかな淑女と、粗野な成り上がりヒーローの奇妙な期限付きの同居生活が描かれています。

 

 

甘いストーリーの中にも、貴族社会で、自立しようとするヒロインの思慮深さと強さがにじみ出ている作品。

 

 

成り上がりヒーローは貞淑な未亡人ヒロインに一目ぼれ

舞台は19世紀ロンドン。ヒロイン ホリーは、3年前に夫をなくし、つつましく暮らしていました。
ある日、喪が明けてから初めて出席した舞踏会。
疲れ切ったヒロインは、ひとりきりになれる暗い応接室に入り込みます。

 

 

その時、突然現れた背の高い男からキスをされます。どうやら、ここで恋人と待ち合わせをしていた男性が、お相手を間違えてキスをしてきたのです。
その男性こそ ヒーロー ザック。
人違いだとわかっても、ザックはホリーを抱きしめる手をゆるめません。ホリーは見知らぬ男性から熱烈にキスをされ驚きましたが、戸惑いながらも何故か相手のキスに応じてしまいました。
キスの後、ホリーはザックの名前を聞くこともなく去っていきます。
「あの女性はだれなんだ」

 

 

舞踏会に戻ったザックは、自分の連れから彼女の名前を聞き出します。
三年前に夫を亡くした未亡人、元夫は由緒正しい家柄で、どうやら自分とは似ても似つかないタイプらしい。
「あなたにお似合いのお相手が舞踏会では他にいるでしょう」とそれとなく、連れに釘をさされますが、ザックはホリーにロックオン

 

 

 

なんとかヒロインに近づきたいヒーローの策略

ある日、ホリーの元にお茶会のお誘いの手紙が届きます。差出人は面識のない実業家でした。招待を受け、屋敷に出向いてみると、そこには舞踏会でキスした男性ザックがいました。

 

 

そして、ザックは「礼儀作法」を教えてほしい(しかも住み込み!)とホリーに申し出ます

 

 

 

 

ホリーは、義弟に娘と二人世話なっていました。ザックからの提案や金銭の申し出は申し分ない。けれど、ホリーは迷います。

 

 

未亡人のホリーが、貴族社会で(裏では)認められていない、独身男性のザックの屋敷に住み込むのはいかがなものだろう。

  • 世間の目には、どう映るだろうか。
  • 幼い娘にしてやれることはあるのだろうか。
  • このまま、一生 義弟に養ってもらうのか。

 

 

ホリーは、申し出を受け、自立の道を選択します。こうして、ホリーは彼の屋敷で、彼と彼の家族と奇妙な同居生活をおくることになりました。

 

 

ワイルド系ヒーローのキャラクターが新鮮

話の見どころは、ヒーローのキャラクターです。
貧しい出自からのしあがり実業家で財を成す「のしあがりヒーロー」は、リサクレイパスのテンプレの1つですが、今回はなかなかのツワモノ。

 

ストレートにものをいい、そしてストレートに行動。そんな直球のザック。剛速球ですよ。ホリーにちょっとセクハラめいた言動がおおいので、心の準備を。

 

 

既存のやり方をものともしない、強引でストレートなザックは貴族社会からつまはじきにされ、本当の所は彼自身、苦悩をしています。だからこそ、礼儀作法のアイディアを思いつきホリーにきてもらったのですが、きっと彼自身が時代の先取りをしすぎていたのですね。

 

 

 

亡き夫とヒーローの間で揺れ動くヒロインの気持ち

段々と、ザックとの仲が深まり、彼の粗野な言動にも慣れてきたころ、ホリーは彼の本当の姿を垣間見ます。

 

彼が粗野に見えるのは、見かけだけ。ザックの誠実で飾らない人柄に気が付くホリーに思慮深さを感じます。

 

 

礼儀正しいけれど自分の意思を曲げない元夫と、言葉づかいは乱暴だけれどホリーに歩み寄りをみせてくれるザック。

貞節な未亡人ホリーの揺れ動く気持ちがちょっと切ない。

 

特筆すべき悪役もでてこず、刺激的なエピソードもありませんが、しいていえば貴族社会のしきたりと世間の冷たい目。
温かく見守りたい二人です。本物の成り上がりヒーロー万歳!の一冊でした。

 

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