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- パトリシア・ウィルソン / コンテンポラリー / ★★★★★
地方新聞記者のキャシーと、編集長ジョーダンのロマンス。
編集長ハロルドが引退。キャシーの上司としてやってきたのは、ハロルドの息子で超有名ジャーナリストのジョーダンです。
超セクシーな彼と朝のミーティングでバトルするのが、毎日の日課になってしまいました。
優しく温厚なハロルドが懐かしい、と思うキャシー。ジョーダンなんて、強引で、傲慢で・・・セクシー。
超生意気なキャシーと、大人の男ジョーダンのツンデレロマンスです。
パトリシア・ウィルソン『愛の試み』を読んだ感想
何を隠そう、この本。私の初めてのハーレクイン本。
初々しい高校時代、学校帰りの本屋で偶然手に取りました。ここから、長いロマンス小説生活が始まりました。もう一冊買ったのですが、そちらは印象にのこらず、題名すら忘れてしまったので、当時の私にとってはインパクトが強かったのでしょうね。
引っ越しを機に、処分した本がどうしてもよみたくなり、再購入。知名度もなく、評判もいまいちですが、思い出深い一冊なので、★評価は5。
表紙は、ヒロインキャシーの赤いドレスがとても印象的。そしてジョーダンのスーツがダブルなのが時代を感じます。
『愛の試み』で検索をかけると福永武彦大先生の著書がでてきますが、まったく縁もゆかりもございません。
さて、あらすじざくっとなんですが。
キャシーは地方新聞社のブラッドベリ―ヘラルドの記者。25歳でバリバリのキャリアウーマンです。このあたりの突っ込みはおいておいて。
母親は有名女優。温かい家庭を知らず、自分の恋人を母親にとられるなど、ちょっと悲しい経験を、持前の勝気さで乗り越えてきてる女性。
そんな彼女なので、武器は毒舌(笑)。彼女に対して、ちょっと何か言おうものなら、毒舌マシンガンでやり込められます。
でも、勝気な彼女が唯一甘えられるのが、編集長であり新聞社のオーナーのハロルド。あったかくて、優しい父親のような愛情で、新卒のキャリーを教え導き実の娘のように大切にしてくれました。
この辺りの描写はキャリーの複雑な性格が垣間見られます。ハロルドにはデレ全開。
でも、キャシーの父親的な存在のハロルドが突然の引退しちゃうんですね。
その後任として、今回のロマンスのヒーローのジョーダンが登場します。もうね、彼、大人の男って感じなんですよ。ちなみにジョーダンは男盛りの36歳。
彼の経歴は、戦場を駆け抜ける生活を送っていた海外特派員。そろそろ、落ち着こうと思っていた矢先、父親のハロルドの体調不良もあり、父の後任になることとなりました。
ところが、そんな事情を知る由もないキャリーは、ジョーダンが父親ハロルドを追いやったと勘違いしているらしく、何かくってかかってくる(笑)
いいいがかりつけられて、普通、怒るでしょ?
でも、大人のジョーダンからしたら、可愛い彼女がキャンキャン吠えてくるくらいなんでもないのです。命に別状があるわけでもなし。
生意気で可愛げのない素振りの下に、本当の彼女の姿を垣間見て、とっても可愛いな~と。父ハロルドから聞かされる、可愛いキャシーの姿を思い描きながら、朝のミーティングのバトルをそつなくこなす、そんな大人な彼なのです。
まぁ、そんな色々な意味で百戦錬磨のジョーダンなんで、キャシーなんてイチコロ。ハロルドの体調不良をネタに、キャシーを擬似恋人に仕立て、父親を喜ばせよう!なんて、提案をキャシーにします。
な、なんと。ハーレクインあるある的な。
その後、二人は、なんともロマンチックな展開で、雪の降る日、彼女が大人のボスと結ばれるのが、高校生の私にとっては素敵に感じましたデス。
勝気なキャシーが親しくなるにつれ、少しずつジョーダンに素直になっていくのも面白く、
「いいえ、悪いのは私。いつもわがままな子供みたいにダダをこねて」
「時々自分で自分がいやになることがあるの」
だよねー(笑)
さすがに古い作品なので、コミックス化もされておりません。当然ですね!