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ロマンス手帖

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エリザベス・ボイル『まだ見ぬ公爵からの求婚』を読んだ感想

エリザベス・ボイル『まだ見ぬ公爵からの求婚』を読んだ感想

玉の輿を夢見つつも、どこかロマンチックなフェリシティと、彼女に正体を明かせず紋々とするホリンドレイク公爵のロマンス。

 

 

文通相手との結婚を夢見るヒロイン、フェリシティは玉の輿願望満々。

花婿候補に白羽の矢をたてた「ダントン卿」と文通を交わすまでにこぎつけます。

 

ところが!!そのお相手は、当の本人ではなく、ダントン卿のおじいちゃん(笑)

勝手に孫の名前を使い、(ちゃっかり)彼女と文通してたのです。
老公爵が亡くなり、爵位を引き継いだダントン卿ことサッチャーは「じいさんの策略」が発覚し、大慌て。フェリシティに惹かれながらも、自分自身に嫉妬するヒーロー ジレジレ作品でございます。

 

 

序盤のあらすじを簡単にまとめました

大胆にも、公爵夫人を夢見るフェリシティ。

彼女のロマンスのお相手はダントン卿。文通をとおして彼との仲を深めているのですが・・・

 

知らぬは本人ばかりなり。

彼女の文通のお相手は、ダントン卿ではなく、そのおじいさんの老公爵&秘書だったのです。今でいうなりすましですな(笑)

 

老公爵と秘書の強力タッグのなりすまし。

 

「これくらい厚かましい娘なら、あのろくでなしを従わせるだろう」

 

老公爵は、素行の悪い孫に手を焼いており、ちょっとぐらい図々しい娘の方が、お似合いじゃろうと、フェリシティに目をつけたわけです。

 
その後、老公爵は亡くなり、ダントン卿が爵位を引き継ぎます。

フェリシティは文通をしていた相手が天国に召されたとも知らず、「いよいよ、公爵になったダントン卿と結婚するのかしら」なーんて、想像しちゃったりしてて、なんだかちょっとかわいそう。

 

 

勿論、本物のダントン卿はフェリシティを知らないので、文通は途絶えたまま・・・

ぎりぎりの生活をしていたフェリシティは、親密だったダントン卿(偽)からの手紙もこず、連絡もこず、心細い本音を押し隠し、ぎりぎりの生活を余儀なくされます。
いったい、どれくらまてるのかしら。
そんなとき、家にある男性が登場します。

 

募集をかけていた、新しい従僕?

 

 

感想です

フェリシティは、大胆でもあり現実的な女性。公爵夫人を夢見る一方、苦しい財政をすくうのは自分の結婚だけだ、と覚悟を決めています。

 
愛や恋、ロマンスなんて、私には関係ないわ、と思いながらも、彼女の妹や従妹たちを本当はうらやましく思っているあたり、ゆれる乙女心が、なんとも可愛い。

 

 

そんなときに、登場したサッチャー(本物のダントン卿)。
彼の正体は、爵位を引き継いだばかりの若き公爵なのですが、フェリシティは屋敷に訪れたサッチャーを、募集していた従僕希望者と勘違いし、強引に「お仕着せ」を渡します。

 

 
実はサッチャーは、爺さんの文通の件で訪れたのですが、強引なフェリシティにタジタジ。誤解を解かず、そのまま何故か、従僕のフリをすることになってしまいます。

もう、このあたり、フェリシティの闊達な性格がでてますよ。

 

 

結局、サッチャーは自分の正体を切り出せず、ずるずると従僕のフリをするのですが、だんだん二人は惹かれあっちゃうんですね。

 

 

経済的に貧窮している自分たちを救うのは、文通相手の公爵と結婚するしかないと思い込んでるフェイリシティは、サッチャーへ恋心と同時に罪悪感も抱きます。

 

 

 

自分の気持ちを抑え込むのは単なる玉の輿狙いではなく、それが一番彼女にとって「現実的」な方法だから。なかなかしたたかで厚かましい顔を持つフェリシティの、ちょっと切実な顔がチラリとのぞく部分。

 

 

見たことも会ったこともない公爵と、従僕との間で揺れ動く恋心。

 

 

そんな彼女が、後半、まだ見ぬ公爵との関係をふりきり、従僕サッチャーとの恋選ぶ姿が胸キュンです。

 
ヒーローが早く自分の正体をあかしていれば、悲しまなくてすむのに・・・
なかなか、ひっぱります(笑)

 

ところで、フェリシティは『独身男性名鑑』という独身男性の詳細情報が掲載されている謎の本を片手に、いろいろ恋愛の作戦をねるのですが、私は、かつて少年ジャンプで掲載されていた宮下あきら氏の『魁!!男塾』にでてくる『民明書房』を思い出しましたよ。
古いですかね?(笑)

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エリザベス・ボイル『理想の妻のたくらみは』を読んだ感想

エリザベス・ボイル『理想の妻のたくらみは』を読んだ感想

花嫁有力候補のセジウィック男爵。架空の妻を作り上げ、年頃の娘とその母親から、なんとか逃れていました。ところが、妻と名乗る女性があらわれ、自分の屋敷に居座っているらしい。

 

妻は、いるはずもない架空の存在なのに。この女性の正体は?

 

 

つまらない堅物といわれる男爵の恋の手腕も気になるところ。

 

 

登場人物は個性豊かで、エピソードも軽快。後半にいくほどスリリングな展開になり、ページをめくる手がとまらない作品です。

 

序盤のあらすじを簡単にまとめます

舞台は1801年のイングランド。22代目セジウィック男爵(アレックス)は、堅苦しく、つまらない男性と評判です。それでも、莫大な財産を所有おり、社交界では有力花婿候補でした。

 

花婿候補として追い回されるのはうんざりしていたアレックスは、結婚を逃れるため、架空の妻を作り上げるアイディアを友人ジョンと思いつきます。慎重な計画かつ、知恵を絞り、作り上げられた理想の妻「エマリン」。病弱な体質を口実に、領地で静養している設定です。

 

誰とも顔をあわせず5年が経ちました。ある日、アレックスの元に心当たりのない多額の請求書が届きます。驚いたアレックスは、請求書の内容をしらべるうち、どうやら「自分の妻」が大金をつかっているらしい、とつきとめます。

 

驚いたアレックスは、いるはずもない自分の妻を確認するため、大急ぎで屋敷に戻りました。アレックスの不在をいいことに、「エマリン」と名乗る見知らぬ女が屋敷に入り込んでいたのです。

美しすぎる、自称 妻の「エマリン」アレックスは心がかき乱されるのを感じました。

 

 

 

感想です

かなり序盤から、二人は惹かれあいます。

 

なら、お似合いカップルで問題なし、といくはずなのですが、そこはストーリー上すんなりとはいきません。妻詐欺の女性は、心の中で「男爵は面白みのない堅物のはずなのに。なんて、素敵なの」と動揺します(笑)そして、妻のフリのはずなのに、どんどん彼に惹かれていっちゃう。

 

 

一方、アレックスは、詐欺師まがいのことをしている「エマリン」の正体を暴き、追放してしまいたいけれど、そうすれば自分の「妻」ではなくなってしまうという葛藤。

 

まったく、二人とも、お熱いね!

 

 

エマリンも最初こそ、図々しい神経の太い女だな、と印象よくありませんでしたが、使用人のかたきうちとばかりに、身分をかくしカード賭博に出向くなど、大胆な中にもお節介で憎めない性格とわかっていきます。

面白みがなく、堅物と評判のアレックスと、お節介で詐欺師まがいの自称エブリンの恋の行方には、最後の最後までハラハラです。

脇を固める登場人物も個性的。従兄のヒューバード夫妻、秘密の過去がある祖母。

最後は畳みかけるようなストーリー展開で、ややご都合主義的ではありましたが、エンターテイメントとしては面白い、おすすめの一冊です。