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ロマンス手帖

ハーレクインロマンスなどの海外のロマンス小説の感想ブログ。あらすじの紹介です。多少のネタバレあり。

デビー・マッコマー『運命の結婚相手』を読んだ感想

デビー・マッコマー『運命の結婚相手』を読んだ感想

薬剤師ジルと不動産開発会社社長ジョーダンのロマンス。

 

二人の出会いは、シアトルからハワイ行きへの飛行機の中。

ジルは航空会社の手配ミスで、エコノミークラスからビジネスクラスに変更。

 

ちょっとラッキーな旅の幸先だったのですが、おとなりの席には、いかにもヤングエリートのビジネスマン。

5時間のフライト中、ひっきりなしに仕事をしている姿をみて、いやいや自分の「運命のお相手はこの人じゃないわ」と心の中で思います。

 

 

「伝説のウェディングドレス」が織りなすジンクスが、なんとも素敵にちりばめられ、運命のお相手って素敵!と思わせてくれるロマンスです。

 

が!!!この本。ハッピーエンドかどうかは、人により微妙なライン。途中までは、とっても素敵なんですが、ピリリと現実感を感じる結末です。甘いロマンスを期待してる方は、ご注意を。

 

 

手に入れてから出会った最初の男性と結ばれる「伝説のウェディングドレス」

 

 

手にした女性は必ず運命の相手と出会える「伝説のウェデイングドレス」が手元にあるジル。自分のお相手はどの男性かしら?と、バカンスに向かう途中、出会う男性に、ちょっと期待してたりしましたが、お隣の席に乗り合わせたビジネスマンは違うらしい(笑)

 

亡き父親は、仕事人間だったので、ジルは仕事一筋の男性は、恋愛対象外なのです。父なき後、寂しい人生を送っている母と同じ道は歩きたくない。

 

 

 

フライトが終わったら、バイバイね、と内心思ってはいますが、そうは問屋が卸さない。

 

運命の神様のいたずらなのか、本当に彼が運命のお相手なのか・・・

 

どこかシニカルなジルは、友人から譲られたウェディングドレスにまつわるジンクスを、ちょっと馬鹿にしながらも、ちょっとした偶然の積み重ねで、怯え恐れるようになります。まさか、ね。

 

 

 

 

このドレスにまつわるジンクスは、とってもロマンチック。

友人の伯母ば、ドレスを手に入れてからビビッときた人と結婚。そして、友人も同じく。

全く、お相手として考えていなかった男性と結婚を決めてしまいます。

 

 

 

幸せになってほしいと、友人はジルに、訳あり?ウェディングドレスを譲ってくれるのですが、ビビっときてしまってる男性は、あのビジネスマン。

 

ああ、どうか、彼ではありませんように。

 

 

 

 

ところが、フライトを終えたら、2度と出会わないと思っていた男性と、ホテルが同じ。そして、向かい合わせ棟の同じ階、同じ位置ではありませんか。

 

これでは、丸見えです(笑)

 

ビジネスマン ジョーダンは仕事でハワイに滞在、ジルはバカンスを楽しむためにきています。偶然乗り合わせた飛行機の隣の席だった人が、同じホテルの滞在先だと知り、なんとなくお近づきになっていくのですが・・・

 

 

彼と触れ合うたび、ちょっとしたキスをするたび、胸が高まりビビビときちゃい、ジルは「ヤバイ」。

 

 

知れば知る程、ジョーダンという男性は、愛に懐疑的。周囲の人間は、彼を少し心配してるようです。

 

情にあついジルは、少しずつ彼に愛を教えてあげられるのは私なのではないか・・・と、理想の結婚相手と、運命が告げる結婚相手の間で葛藤します。

 

もうね、このあたりが不思議な出来事が連発で、ロマンチックなエッセンスが満載なのです。中盤さしかかるあたりまで、これはジュニアが読んでも楽しめるかも、なんて思ってたのですが。が。

 

 

意外な結末に、わたくし「ぽかーん」

 

某掲示板に、こういう結末の本があるよ、と書き込みがあり、存在は知っていたのですが、まさか、この本がそうだとは!衝撃だったので、一応記しますね。

 

 

 

ネタバレになりますので、結末知りたい方は、アコーディオン オープンにしてください。

ジョーダン、最後には失業しちゃうんです。失業ヒーローですよ。斬新すぎる。彼、お金持ちだから、暮らしていくには困らないらしいのですが・・・これって、微妙じゃないですか?結局、愛と仕事を天秤にかけて、愛をとった末おこってしまった、この厳しい現実を、ハッピーエンドとしてしていいものか、否か。数年ゆっくりしたら、なにか別の事はじめるんですって。

 

 

この結末でなければ、★4だったのに。でも、この結末だから、デビーマッコマーらしいのかな、とも思ったりします。

 

デビー・マッコマー『恋のつぼみがほころぶとき』を読んだ感想

デビー・マッコマーの心温まるロマンス。年齢も境遇も異なる四人の女性が、とある毛糸店の編み物教室で出会いました。

 

それぞれの抱える悩みは、深く悲しく大きな痛みを伴い、人生に影響をしています。

 

泣いて笑って喧嘩して。恋と涙と愛情で揺れ動く。

それぞれのロマンスが、いきいきと語られています。

ホットなシーンは少な目です。この本なら、高校生くらいの年代でも大丈夫なはず、いや、ロマンス愛好家以外の方にも、多くの女性に読んでほしい一作です。

 

私は、何故だか、涙がでちゃいました。愛と勇気をもって人生を漕ぎ出す四人の女性に胸を打たれます。涙、もろい方はハンカチをどうそご用意くださいませ。

 

 

祝開店。小さな毛糸店「グッドヤーン」

 

アメリカのとある街のブロッサムストリートで、小さな小さな毛糸店が開店しました。オーナーはリディア。

 

彼女は、この毛糸店を、わずかばかりの財産を取り崩し、なんとかオープンさせました。

 

リディアは若かりし頃から癌を患い、つらい日々を送ってきています。今後、再発をしないとは言い切れません。いつ果てるともしれない自分の命。年齢よりもぐっとわかく見られる事が多い彼女ですが、中身は老成しています。

 

そんな彼女が健康を取り戻し、オープンさせた毛糸店の「あみもの教室」に申し込んできた女性が三人。

 

 

リディアを含め、この四人のロマンスストーリーが交差しながら、ストーリーは進んでいきます。
ある女性は不妊治療中。とある女性は、夫の長年の浮気。そしてもう一人は底辺と呼ばれる生活を送りつつあるフリーターの少女。

 

それぞれが人生の壁にぶつかり悩んでいます。

 

 

 

愛と勇気を感じるのは、作者の人生観が伝わるから

 

ストーリーは割愛して、今回は、純粋な個人的感想を書かせてもらいますね。

 

この本を読んで思い出したのは篠田節子著「女たちのジハード」です。20年以上前に読んだ本なので、もううろ覚えですが、読み終わった後、胸が熱くなった感覚は、この本そっくりです。

ロマンス小説なので、こちらは甘めですけどね。

 

 

巻末の「デビマ新聞」も非常に興味深く、作者の人生観が伝わってきます。

作者のデビー・マッコマーは、小学五年生まで失読症で文章が読めなかったそうです。今でこそ、ニューヨークタイムズに取り上げられるほどのベストセラー作家の常連の作者に、そんな過去があったとは衝撃的です。

 

ずっと劣等生扱いをされてきた作者は、ひそかに作家を夢見ており、その夢を持ち続け現在に至ります。失読症を克服し、小説を書き始めても、とあるロマンス小説の会合に作品をもって参加すると、「ダメ見本」として彼女の作品はとりあげられ、無残にやぶりすてられる、なんて経験もあったそうです。

 

このエピソードを読んで、ああ、だから、彼女の作品を読むと涙がでるのだな、と納得しました。

 

私も40歳を過ぎ、人生は楽しいばかりではないと知る年齢になりました。むしろ、つらい時の方が多い。

 

だからこそ、ロマンス小説で、ひと時の「夢」を楽しんでいるのですが、この作品は、おとぎ話的な夢だけでなく、何か違うものを感じさせてくれます。

それは、人生に明るい展望を抱きつづけていれば、悲しみや苦しさはあるけれど、いつかは幸せになれるのではないか、という未来への希望です。

 

 

まぁ、ちょっと大げさになっちゃいましたが(笑)

大富豪でメロメロだったり、荒ぶるシークの抱擁って設定ばかりでなく、いろいろな小説がロマンスのジャンルにはあるのだな、と知っていただけたらと思い、この本を取り上げました。

 

甘いロマンスを求める方には、物足りないかもしれませんが、一つの作品としては、オススメの本です。多分に個人的な好みがはいってます。もし、このブログを読んで、ご興味を持たれた方がいらっしゃたら、お手に取ってみてください。

 

 

 

デビー・マッコマー『そよ風のノーラ』を読んだ感想

デビー・マッコマー『そよ風のノーラ』を読んだ感想

オーチャード・ヴァレー三姉妹物語より三女ノーラのロマンスを紹介します。
古風で平凡な看護婦ノーラと、テキサスの会社社長 荒くれ者ローディーとのロマンス。

赤い実をたわわにつけた木がたち並ぶリンゴ園で、繰り広げられる恋愛模様が楽しめるシリーズです。

 

 

序盤のあらすじを簡単にまとめました

ブルームフィールド家はおめでた続き。姉二人は立て続けにお相手がみつかりましたが、ノーラには一向に気配がありません。ちょっと寂しく感じます。

 
長女、ヴァレリーの結婚式の前日、飛行機事故にあった男性がノーラの病院に担ぎ込まれました。意識不明の男性は、どうにか一命をとりとめました。その男性は、CHIPS社の社長 ローディー。ソフトウェア業界の異端児であり、姉ヴァレリーの上司です。

 

 
ローディーはヴァレリーの結婚に大反対。姉の上司が、姉の結婚式を阻止するためにやってきて事故にあいました。

 
姉を動揺させたくない。ノーラと家族は相談をし、ローディの件を姉には伝えませんでした。姉の結婚式が終わった後、ローディーのもとへ結婚式の装いのまま向かうノーラ。

 

 

 

ノーラの姿を見たローディーはノーラに言います。

「君は何者なの?僕の守護天使かい?」

 

 

 

 

 

感想です

私が、この作品を初めて読んだのは二十年ほど前。心に残った一冊で、一旦手放したのですが、再度買い直しました。
ヒロインノーラは平凡な女性。彼女が好きになったのは荒っぽいテキサス男ローディー。

 

 

彼が好きなのは姉ヴァレリーだと思っており、ノーラは切ない思いをします。姉二人は、キャリアウーマンで、才能あふれる美人系なのですが、ノーラはどちらかというと、家庭的なタイプ。

 

 

何しろ結婚式に乗り込んでくるくらいですから、そう考えても不思議ではないですね。
一方、ローディーは自意識過剰気味。ヴァレリーの結婚は、自分の気をひきたくてついた嘘と思い込んでいました(オイオイ。過剰すぎ)

 
ところが、実際、ふたを開けてみたら本気で結婚するらしい。

 

 
大慌てでセスナで登場したところ、墜落し、病院にいたります。何事も自分の想い通りにしてきたローディーは、怪我で自由にならない苛立ちを周囲にぶつけます。

 

 
家庭的で優しいノーラは、彼の気をそらし、温かく、時には毅然と接します。
それが裏目にでたノーラは、手がつけられないローディーは、ノーラ担当ね!と押し付けられてしまいます。

 
だって、あなただと彼は大人しいのだもの。

周囲の看護婦たちも彼にはお手上げ。

 

 

荒くれものローディーはいつのまにかノーラ専任(笑)

 
リンゴ園でのびのびそだったノーラは大らかなのです。
 

 

でも、本当は、見知らぬ土地で、死を覚悟する程の事故にあい、ローディーは心細く思っていたのです。もう、素直になれよ~。

 
痛みで眠れないにもかかわらず、鎮痛剤を嫌がります。ノーラは無理に注射を打ちます。
眠りに落ちる時、ローディーのつぶやき。

「僕は死んだと思ったんだ」
「天使が来てくれたんだ」彼の声はだんだん細くなった。「ローズ色のドレスを着てね。とても美しくて・・・僕は死んでもいいと思った」

かなり序盤から、この調子なので、相思相愛確定じゃん。なんでも強引なローディーですから、姉ヴァレリーから妹ノーラへ思いがチェンジすれば、一直線。

 

 

  • 当然、お気に入りのノーラは自分の世話をするに決まってる。
  • だから、病院をやめて、専任の看護婦として、テキサスついてくるに決まってる。

 

 

生まれ育ったオーチャード・ヴァレーでの生活で満足しているノーラはローディーの提案を断ります。給料を何倍にする、とか、期限は何か月だから、提案をされても心は動きません。

 

 

 

 

自分の要求を、譲らないノーラもなかなか頑固(笑)。
思い通りにならないとプンプンにおこって、ローディは、テキサスに帰りますが、すぐオーチャード・ヴァレーにもどってきちゃいます。
二人は離れては近ずくの繰り返し。

 

 

 

好きだよ、一緒にきてほしい、の一言で、丸く収まるのに!!男のプライドが邪魔するのか!(笑)愛の言葉をいってあげなよテキサス男。

 
彼女をとりまく家族の愛情が、優しい雰囲気をつくりだしていて、とっても読書後は幸せな気分になれます。

だいぶ古い作品なので、入手しにくいのが難点ですが、手に取る機会があればぜひご一読を。

 

 

最後に、ローディーの私のお気に入りの一言。

 

「僕はテキサス男だぞ。極上のあばら肉をしゃぶって乳離れしたんだ」

え、そうなの?(笑)