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デビー・マッコマーの心温まるロマンス。年齢も境遇も異なる四人の女性が、とある毛糸店の編み物教室で出会いました。

 

それぞれの抱える悩みは、深く悲しく大きな痛みを伴い、人生に影響をしています。

 

泣いて笑って喧嘩して。恋と涙と愛情で揺れ動く。

それぞれのロマンスが、いきいきと語られています。

ホットなシーンは少な目です。この本なら、高校生くらいの年代でも大丈夫なはず、いや、ロマンス愛好家以外の方にも、多くの女性に読んでほしい一作です。

 

私は、何故だか、涙がでちゃいました。愛と勇気をもって人生を漕ぎ出す四人の女性に胸を打たれます。涙、もろい方はハンカチをどうそご用意くださいませ。

 

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祝開店。小さな毛糸店「グッドヤーン」

 

アメリカのとある街のブロッサムストリートで、小さな小さな毛糸店が開店しました。オーナーはリディア。

 

彼女は、この毛糸店を、わずかばかりの財産を取り崩し、なんとかオープンさせました。

 

リディアは若かりし頃から癌を患い、つらい日々を送ってきています。今後、再発をしないとは言い切れません。いつ果てるともしれない自分の命。年齢よりもぐっとわかく見られる事が多い彼女ですが、中身は老成しています。

 

そんな彼女が健康を取り戻し、オープンさせた毛糸店の「あみもの教室」に申し込んできた女性が三人。

 

 

リディアを含め、この四人のロマンスストーリーが交差しながら、ストーリーは進んでいきます。
ある女性は不妊治療中。とある女性は、夫の長年の浮気。そしてもう一人は底辺と呼ばれる生活を送りつつあるフリーターの少女。

 

それぞれが人生の壁にぶつかり悩んでいます。

愛と勇気を感じるのは、作者の人生観が伝わるから

 

ストーリーは割愛して、今回は、純粋な個人的感想を書かせてもらいますね。

 

この本を読んで思い出したのは篠田節子著「女たちのジハード」です。20年以上前に読んだ本なので、もううろ覚えですが、読み終わった後、胸が熱くなった感覚は、この本そっくりです。

ロマンス小説なので、こちらは甘めですけどね。

 

 

巻末の「デビマ新聞」も非常に興味深く、作者の人生観が伝わってきます。

 

 

作者のデビー・マッコマーは、小学五年生まで失読症で文章が読めなかったそうです。今でこそ、ニューヨークタイムズに取り上げられるほどのベストセラー作家の常連の作者に、そんな過去があったとは衝撃的です。

 

ずっと劣等生扱いをされてきた作者は、ひそかに作家を夢見ており、その夢を持ち続け現在に至ります。失読症を克服し、小説を書き始めても、とあるロマンス小説の会合に作品をもって参加すると、「ダメ見本」として彼女の作品はとりあげられ、無残にやぶりすてられる、なんて経験もあったそうです。

 

このエピソードを読んで、ああ、だから、彼女の作品を読むと涙がでるのだな、と納得しました。

 

私も40歳を過ぎ、人生は楽しいばかりではないと知る年齢になりました。むしろ、つらい時の方が多い。

 

だからこそ、ロマンス小説で、ひと時の「夢」を楽しんでいるのですが、この作品は、おとぎ話的な夢だけでなく、何か違うものを感じさせてくれます。

 

 

それは、人生に明るい展望を抱きつづけていれば、悲しみや苦しさはあるけれど、いつかは幸せになれるのではないか、という未来への希望です。

 

 

まぁ、ちょっと大げさになっちゃいましたが(笑)

 

 

大富豪でメロメロだったり、荒ぶるシークの抱擁って設定ばかりでなく、いろいろな小説がロマンスのジャンルにはあるのだな、と知っていただけたらと思い、この本を取り上げました。

 

甘いロマンスを求める方には、物足りないかもしれませんが、一つの作品としては、オススメの本です。多分に個人的な好みがはいってます。

 

 

もし、このブログを読んで、ご興味を持たれた方がいらっしゃたら、お手に取ってみてください。

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