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- マリアンヌ・スティリングス / サスペンス / ★★★
地方新聞の編集者ベッツィーと刑事と小説家の兼業してるソルジャーのロマンス。
ベストセラー作家のソルジャーの元に毎回とある新聞が届きます。そこには、彼の作品が批評されてるのですが、これがひどいこき下ろし方。
「くず、ゴミ、カス、廃棄物。手に取る価値無し!」
ソルジャーは、この書評を書く女なんて、年増で不細工ババァに違いないと、弟と二人、ババァの似顔絵を描いて、憂さを晴らしていました。(性格わるいな~)
この年増女(予想)と偶然にも、とあるセミナーで鉢合わせ。
なんと!うら若き美しい女性ではないか!しかもソルジャーの好みときた。
これは、面白いことになったと、好奇心が刺激されたソルジャーですが、お相手のベッツィーは、とある問題を抱えていて、ソルジャーの相手どころではありません。
長年の刑事の勘で、不細工ババァもとい可愛いベッツィーの問題を解決しようと頑張るのですが・・・・
小説家と編集者らしい、ウィットにきいたやり取りと、ちょっとセクシーな展開で、サスペンス要素少な目です。軽いノリで楽しめる作品ですよ。
金甌無欠のヒーローって、なんだそれ?
ベッツィーは、地方新聞の編集者。ちょっとした書評も書いたりしています。アメリカ北西部犯罪小説セミナー(?)なるセミナーに参加したところ、先日こき下ろした書評のお相手が参加してるのではありませんか??
あんな、つまんない小説書いてる奴なんて、不細工で見苦しい中年オヤジだと思ってたのに、実際のソルジャーは超セクシー。ああ、あんなこと書いちゃって、恥ずかしい・・
もう、二人して犯罪小説セミナーそっちのけで、一目ぼれしちゃってるので、心の中で、お相手を大絶賛。祭りだ、祭りだ(笑)
セミナーは数日開催されるのですが、セミナー途中でベッツィーが、深刻な問題を抱えてるのを知り、ソルジャーがぜん保護欲ムンムンになります。
ベッツィーはストーカーに悩まされていたのです。彼女の犬が、冷蔵庫の中に入れられていたり、不気味なメッセージを受けとったり、とセミナー開催中でも気は休まりません。
いったい彼女は何をしてしまったのか。
恐ろしさのあまりガクブルのベッツィーですが、まんざら知らぬ仲でもない(酷評したけど)ソルジャーがそばにいてくれて、ちょっと心強くもあります。あんな酷評しちゃってごめんなさい、なーんて、しおらしいセリフをいうような女性でもなく(笑)、ソルジャーの副業の小説に対しては相変わらず辛口です。
だいたい金甌無欠ってなんなのさ。(※物事が完全で欠点がないたとえ)
完璧って、言えばいいじゃん。わかりにくいよ、とベッツィーが相変わらず、酷評。
それに対して、うまーく、子供をあやすように、言葉を交わすソルジャーは、なかなかユーモアのセンスがある男性です。
で、超素敵かっていうと、個人的には微妙なところ。
ベッツィーが、彼のことを物事が金甌無欠な体形で、セクシーで、男らしくて、云々、といってますが、ベッツィーがそう思ってるってことは伝わりましたが、私は特にそう感じず。
例えば、男らしいといえば、クルーザーでバカンス中、解放感を味わいたくて真っ裸になっちゃったりするあの人とか、欲望がたかまって自分を抑えるためにレンガをくだいちゃたりするようなあの人とかは、「さっすが、男らしいね。ちがうね」(あ、ひょっとして単なる変わった人?)と感じますが、今回のヒーローに関しては、そう感じませんでした。普通に素敵な人なのかな。
言葉遊び的なやりとも、いかにも文章を生業としてる人たちって感じ。
軽いノリで、楽しめるロマンス。サスペンス要素は、ややありくらい?ですよ。
「金甌無欠」(きんおうむけつ)勉強になりました。