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会社経営のドミニクと、シェフのキャリーのロマンス。

 

シングルマザーのキャリーは、住み慣れたフィジーからシドニーに引っ越してきたばかり。体調を崩し、はじめたばかりの仕事も体調不良でうまくいかず、どん底の生活。

 

 

長くつづく病のせいで、一人息子の養育資格を問われたキャリーは、一人息子を福祉事務所に取られてしまいます。

 

 

私の息子をとらないで。

 

藁にもすがる思いで、彼女が頼った先は、会社経営のドミニク・サベジ。八年ぶりに彼の元に出向いてキャリーは・・・・

 

 

片想いロマンンスがお好きな方にはたまらないロマンスですよ。八年は、本当にながいです。表紙も綺麗だなぁ・・・

 

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エマ・ダーシー『愛の残照』のあらすじ感想

タイトルが絶妙に生かしています。原題は『HIGH RISK』なのですが、それを『愛の残照』とは!

 

残照とは、あたりが暗くなっても、山頂などに照り映えて残ってる夕日の光のこと。暗闇が一面に広がりつつあるなか、ほんのすこしだけ残る太陽の光。

 

この標題で、ヒロインのヒーローに対する想いの断ち切れなさ具合が、日本人の感性を刺激しますね。

 

 

ロマンスの始まりは、8年前。キャリーとドミニクはバカンス先で、出会い恋に落ちるのですが、上流階級の友人たちに囲まれるドミニクと、普通の女の子だったキャリーは、身分違いもいいところ。

 

 

たまたま二人は出会って、たまたま恋におちて、たまたまロマンスに花がさいてしまったのですが、彼の取り巻き女性たちはがぜん面白くありません。

 

そこで、キャリーに、あれこれ意地悪をしたり、よからぬことを吹き込みます。

 

 

「私たちは、だれとだってベッドをともにするのよ」

「ここにいるみんなは、そんなこと当たり前だっておもってるの」(それが上流階級だもの)

 

 

挙句の果てに、ドミニクは、女性の取り巻きの一人アリスンという女性と婚約中だというではありませんか!とうのアリスンは、キャリーを鼻でせせらわらい、「結婚前の遊びだから、たいしたことないわ。ふふん。せいぜいあそびなさいな」的ないやらしい、いじめをしてきます。

 

 

周囲のアリスン派の女性たち皆で(声をそろえて)「そうだ!そうだ!まったくだ」

 

 

孤立無援のキャリーは、自分のすべてをささげたあげく、だまされたと思い、恥じ入る思いで、逃げ出してしまいます。

 

 

そして、八年。アリスンと結婚しただろうドミニクを忘れられず、ただただ月日が流れていく。

 

 

もてあそばれた挙句、すてられたのに、彼への思いは、断ち切れぬまま。愛は、どうやっても消し去れないのです(´;ω;`)

 

 

二人が再会し、キャリーの苦境を救ってくれるドミニクですが、どうやら彼女の息子を福祉事務所から取り戻し、キャリーを助けただけで、二人の関係をおわらせるつもりはありませんでした。

 

 

親身にキャリーを思いやる行動を見せるのですが、ほんのり「二人の関係を再開させたい」という気持ちをにおわせます。

 

ま、まさか。下心ありあり?

 

キャリーは、ドミニクへの愛はあるものの、不倫ダメ!絶対!なので、ドミニクの優しさを素直に受け取れません。

 

 

そうこうするうちに、ドミニクが、キャリーの息子と仲良くなって、ますますキャリーは戸惑いをかくせなくなります。ドミニクに本当のことを伝えた方がいいのか。息子にとって、父親はいた方がいいのか。

 

 

色々な点で、核心の部分が、ぼかしてあります。キャリーが心の中で、道徳や倫理観に反して、ドミニクに惹かれていく部分に罪悪感を感じ、葛藤する具合がなんとも悲しい。まさに残照です。

 

ピュアピュアでキュンキュンするストーリーがお好きな方は是非。

 

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愛の残照

愛の残照

[著]黒田かすみ [原作]エマ・ダーシー

 

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