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メアリ・バログ『秘密の真珠に』を読んだ感想

貧窮している貴族の娘フルールとリッジウェイ公爵のロマンス。

 
高潔な生き方を目指す二人。

 

 

許されない関係にもかかわらず、お互い想いが募ります。緻密で繊細な描写と、ストーリー出だしが衝撃的な作品。
全体に重苦しい雰囲気でストーリーが進みます。

 
ひょっとしたら、全体的にハッピーロマンスがお好みの方は、設定NGかもしれないので、

ご注意を。

Amazon等で、あらすじ確認してくださいね。

 

代償が大きすぎる生きぬくためヒロインが下した苦渋の決断

 

 

貴族の娘 フルールは、ロンドンへ一人逃げてきました。
彼女には、故郷にいられない事情があったのです。

 
ロンドンで、手持ちのお金も底をつき、2日間食べ物を口にしていません。
将来に明るい希望も持てず、このまま餓死をするしかないのかしら。
彼女は、生きるために「ある決断」をします。

 

 
「ある決断」の実行で、顔に傷を負った紳士と知り合うのですが、二人の出会いは心地の良いものではありませんでした。

 

 
紳士はリッジウェイ公爵 アダム ・ケント。
イギリス国内でも有数の裕福な貴族でした。

 

 
リッジウェイ侯爵は、フルールの生活ぶりを見て、育ちのよい女性が苦労をしているのだな、と察します。

 
二人は、お互い詳しい正体を明かさず、別れました。
その後、リッジウェイ公爵より手にいれたお金で、数日は飢えをしのぎ、職業斡旋所に通うフルール。

 

 
ついに彼女に幸運が舞い込み、なんとかケント卿の娘の家庭教師の職を手に入れます。
これで、なんとか飢えずにすむ。

 

 
新しい仕事先に赴き、新天地で頑張るフルールに思わぬ再会がありました。
それは、ケント卿は、あの日 フルールを出会った顔に傷のある紳士「リッジウェイ公爵」だったのです。

 

 

心に重くのしかかかる厳かな愛の旋律

ライトでポップなノリとは一線を隠した愛の物語。
緻密で繊細な描写が、二人の心のひだまで描写していて、切なくなります。
ヒーロー ヒロイン ともに、高潔な生き方を望んでおり、自分を犠牲にし、義務を全うし名誉を重んじます。
対照的に、ヒロインを陥れようとする人物の下劣なこと。手段を選ばない。

公爵の弟の享楽的な生き方も、ヒーローとヒロインの生き方と対照的。

 

 

いっそう二人のプラトニックな関係(?)と、厳し過ぎるといっていいほどの自己犠牲が際立ちます。

 

 

 

高潔なカップル。相思相愛だからこそ結ばれてはいけない愛の葛藤

人生には、生きていく上で選択を迫られます。よきにつれ悪しきにつれ、自分の選択には責任が伴います。

自分の人生への責任です。
後悔しても、時計の針は巻き戻せません。

 

 

ヒロインは、かつて自分が下した決断に苦しみます。
自分に厳しいゆえに、「仕方ない」と頭では理解しても、心では自分を許せない。淫らで卑しい女だと、自分を責め否みます。そして、公爵に惹かれながらも、それすら許せない自分。

 

 
一方、公爵もフルールと出会い、愛なき結婚をした自分を悔やみはじめていました。名誉を重んじるがため、その時には一番良い選択をしたと自信を持っていました。しかし、周囲を見てみれば自分も含めて不幸な状況。

 
重く苦しい部分をわかちあい、許しあう。そんなフルールと公爵との関係。心の闇さえも愛することで、自分の心の壁を乗り越えられる。そう信じたい気持ちが終盤まで引きずりますが、単純にハッピーエンドとはいきません。

 

 

ああ、二人は本当にそれでいいの?お互いに好きだから、一緒にいるっていう選択ではダメなの?(ダメらしいです)
色々、考えさせられる一冊。切ない、愛の物語です。。