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- ケイトリン・クルーズ / コンテンポラリー / ★★★
おなじみギリシア人ヒーロー登場です。誰よりも自分を嫌い、憎んでいるニコス。彼はバルべリ一家に復讐を硬く誓っていました。
そんな彼に「愛人」の申し出をしたトリスターヌ・バルべリ。
復讐の駒にされながらも、彼を愛し許す彼女のやさしさと、ニコスの痛々しい過去に注目の作品。
表面的には強気ですが実は自己卑下Мタイプのヒーローですよ。
『愛人のレッスン』の感想
えー、なんというか。ハーレらしいつっこみどころのある作品です。
まず、ヒロインは金持ちながらも、幸うすい。母親の医療費の支払いに困窮してるんですね。
彼女が相続するはずの信託財産に手をつけられず、腹違いの兄ピーターに頼るしかない状況。で、この兄がクズなんですわ。
で、この兄がですね。金銭的な援助と引き換えに、とあるミッションを彼女に伝えます。
↓ ↓ ↓
彼女が裕福な男性とのゴシップをまきちらし、バルべリ家の名前に世間を注目させること。
しーかーも。こんな言葉つき。
「お前がようやく役に立つときがきたな。」
「一家の財産を立て直す義務は、お前にだってある」
もう兄なんて、しったこっちゃないんですがね。
急激に悪化する母親の体調を目の前にし、トリスターヌは兄の申し出をうけるしかないんですよねー。
で。
ゴシップの相手に彼女が、選んだのはギリシア人の海運王ニコス・カトラキス。
地中海の港に停泊中の豪華クルーザでのパーティーで、ニコスに迫り
「わたしをあなたの愛人にしてほしいの・・・」
と迫るのですが。
ここまで聞くと、ちょっとかわいそうな感じでしょ?
でも、ヒロインなかなかの世間知らずぶりなんですよ( ´∀` )
愛人契約を持ち掛けるわりには、ニ、三日の辛抱だ、と思ってみたり、身体の関係なしよ!のびっくり発言。
パパラッチにとられちゃえば、あとはバイバイする気だったのでしょうか(笑)
ヒーロー ニコス自身が、バルべリ家(ヒロインの家)へ復讐を狙っているって裏事情があるんで、トリスターヌのおかしな提案も、奇妙に思いながら受け入れられちゃうという、この珍妙さ(爆)
やる気なしの愛人候補と、復讐狙いのニコスですが、一緒にいるうちに惹かれあって、結局はいいかんじになっちゃうんですわ。おかしなお話ですよね。
まま、それはさておき。この作品。兄のクズぶりがすごくてですね。
トリスターヌを娼婦呼ばわりした挙句、寄生虫扱い。
寄生虫ですよ!!
「尻軽」「ばいた」「あばずれ」などは定番ですが、最近のハーレは過激っす。
あと、ストーリーとして復讐ものの定番としては、
・惹かれあっちゃった段階で、復讐はナシのパターンか
・誤解と勘違いから最初にガツンと復讐しちゃい、関係修復にいそしむ
ってツーパターンが多いんですがね。
この作品はかなり終盤にやっちゃいます。
後半で明かされるヒーローの復讐の動機が斬新です。
ニコスの後悔と、自己卑下する姿は、雨の中哀れな捨てられた子犬を思わせます。キュンとはしませんが(笑)可愛いもんですよ。
最後、ひどい仕打ちをした自分を許し、愛すると言い切るトリスターヌを、「理解できない」と告げるニコス。
繰り返し、愛してると言い聞かせるヒロインは、考えが浅いのか、心が広いのかちょっと謎ではありますけど、ハッピーエンドでよろしんじゃないでしょうか!!
↓こちらコミックス。二人の複雑?な内面がでてる、繊細な感じがGOOD(^^♪