企業再生のプロのロザリーと、自働車販売店オーナーの大富豪ニックのロマンス。二人は、雪の日の高速道路で出会います。ロザリーは、愛車フォルクスワーゲンがパンクしてしまい立往生。苛立ちのあまり、愛車へ激しい蹴りをいれる怒りぶり。
そんな荒ぶるロザリーを目撃したのはニック@大富豪。「自分の正体」を隠し、ちょっと面白そうなロザリーをデートに誘います。
何から何まで、期待を裏切る豪快な彼女に、ニックはもう夢中!段々と惹かれるにつれ、自分の正体を隠してる自分がつらくなっていき…
イタリア系アメリカ人カップルのラブコメディ。コンテンポラリー作品らしい軽快さと、ライトなノリで読み終わりハッピーな読書感。女の幸せが、ぎゅっとつまったニックのヒーロー像に、ロザリーでなくても心動かされる作品です。
『大富豪と結婚しない理由』の感想とあらずじ(ネタバレ)
結婚願望ゼロ。
汚部屋の住人。
「朝、カーテンをあけなければ、夜にしめなくてすむじゃん。ナイスアイディア!」
そんなヒロインなので、母親がガミガミ小言をくりだしてきます。おおよそ家庭的といえない彼女ですが、経済的には自立していてバリバリ仕事してます。企業再生のプロですよ。エリート臭しますね!
彼女の恋愛観は
- 女性にとって、分が悪い結婚なんて、するわけないでしょ。
- どうせ、新しい女に鞍替えされちゃうんだし。
- キャリアを棒にふって、家庭にはいるなんて、考えられない。
結婚願望ゼロ、そして汚部屋住人ロザリーは、なんとも素敵な男性と出会ってしまいます。
高速道路で立往生しているロザリーを助けてくれ、車もけん引してくれた!しかもデートまで誘ってきた(笑)
普通の女性なら、ニックにメロメロなはずなんですが…まぁ、なんてことでしょう!
あまりのハンサムすぎる笑顔に、ロザリーは心の中で「このイタチ野郎」と唱えます。
ニックはロザリーを、面白そうな「いかれ女」と心の中で唱えているのですが、知らぬは本人ばかりなり。
まぁ、なんだかんだいっても「いかれ女」と「イタチ野郎」は、お互いああ素敵だなと思ってるわけですよ(笑)
一番ピッタリきたのはお互いの考え方。結婚なし、将来の約束なし。あとくされなしの恋人関係。
ロザリーの恋愛観にニックはびっくり!!なんといっても花婿候ナンバーワン扱いだったので、教会につれていかれるのにいつもびくびく。結婚のケの字を感じたら、即お別れしてきた歴代彼女たちとは全然違う!
なんとも居心地が良さそうだ、と内心シメシメ。
ところが、ロザリーの「いかれ具合」は、ニックの枠を超えていて、驚くばかり。
- ・ベッドの中以外では、べたべたしたくない→スポーツ観戦のときに野次が跳ばせない
- ・ニックには、さっさと帰ってほしい。→ゆっくり休みたい
- ・電話は私からするからニックしないで!
一方、ロザリーは付き合いが早いうちからニックが大富豪だと知ってしまいます。でも、結婚するわけじゃないから、別にいいよ。お互いの約束守ってるうちは、と思うのは前半のみ!
情熱的な二人のロマンスは、序盤からアツアツ。見どころは、ロザリーの豪快な言動と、ニックの保父さん的な行動!掃除・洗濯してくれて、干しっぱなしのブラジャーまで畳んでくれるんですよ!
二人の生活のリズムが合うようになったころ、後半、心の距離が浮き彫りになっていきます。
ニックは自分の正体を黙っていること。ロザリーは、彼が正体を打ち明けてくれないこと。果たして豪快なロザリーの恋愛観と結婚観はどうなるのか?
軽いノリで楽しめて、ハッピーな読書感の作品です。