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- ローズマリー・ロジャーズ / ヒストリカル / ★★
成金の娘タリアと、名門貴族アッシュコーム伯爵のロマンス。
舞台はロンドン。
周囲から「豚ドブソンの娘」と揶揄されるタリアと、堕天使のごとく美しき伯爵の結婚は、社交界のゴシップ間違いなしの組み合わせ。
結婚に至るまでの経緯はかなり訳あり。ちょっと、ちぐはぐなカップルの愛と冒険の物語です。
序盤のあらすじを簡単にまとめました
湾岸労働者から金持ちになったタリアの父、サイラス・ドブソン。なんとか上流階級に認められようと、貴族と娘タリアの結婚を画策していました。
借金で首がまわらなくなった伯爵家の次男のハリーに目をつけ、タリアと結婚させようともくろみます。
ところが、結婚式当日ハリーは現れず、結婚式場にタリアは一人置き去りに・・・・持参金を持ち逃げし、ハリーは行方をくらましました。
そこで、黙っているドブソンではありません。弟のことを訴えると脅し、アッシュコーム伯爵本人とタリアの結婚を取り付けます。
美貌の伯爵と結婚
美しきアッシュコ―ム伯爵。淡い銀色の瞳。細く引き締まった身体と、見事な金髪。
堕天使との呼び声高く優美さと力強さを容姿は、常に人々の羨望の的でした。
一方で、レディとは程遠いタリアは何をやらせてもうまくならない。も刺繍も、踊りも全くダメ。容姿も、きわだつ程ではありません。
おまけに「豚ドブソン」と呼ばれるほど、嫌われ者の父親。娘タリアも伯爵夫人の身分をねらう卑しい女と言われる始末です。
結婚するつもりの全くなかったタリアは、父親には責め立てられ、婚約者には捨てられ、人々の噂の的になり、踏んだり蹴ったり。
アッシュコーム伯爵本人も、タリアと父親が共謀して汚い手をつかい、上流階級への切符を手に入れたとなじります。
アッシュコーム伯爵は、結婚は避けられない。でも、彼女を伯爵夫人として、すんなり認めるのも気に入らない。ひっそりと結婚式を挙げた後、タリアを人目につかないよう自分の領地へ送ってしまいました。
ドブソン親子への「お仕置き」のつもりで、タリアを領地へ送ったアッシュコーム伯爵。
しばらくすれば、「ロンドンに帰りたい」と、タリアが泣きついてくると予想をしていたのですが・・・・
感想です
Amazonで高評価なので、購入してみた作品。
なんといっても魅力は、アッシュコーム伯爵。定番中の定番。美しきとか、天使のような、との表現。
私はガチムチマッチョ、もしくは荒くれ牧場主が好みなので、ヒーローの好みが違い残念。
アッシュコーム伯爵は、好みの人には、かなりおいしい人物です。美しい上に、ツンツンで、とんがっちゃってます(笑)
ヒロイン タリアは心優しいぽっちゃり女子。ですが、まぁ、容姿は十人並みくらいで、ちょっとぶきっちょさん。
そんなタリアを憎からず思い始めているのに、自分の気持ち認めたくない伯爵は、ツンツンしてる間に、タリアがとんでもない事件に巻き込まれてしまいます。
タリアは、結婚後、領地に追いやらてても、めそめそすることもなく、「ロンドンに帰りたい」なんて、泣きをいれたりなんてしません。このあたりが、元気ハツラツなタリアの魅力なのですが、ロンドンに戻りたいといってこないタリアにジレジレの伯爵。
堕天使伯爵がツンツンしてる間に、イケメン対抗馬登場で、ストーリーは益々盛り上がります。
なにやら秘密めいた美貌の牧師ジャックが登場。こちらは、伯爵とはまた違う趣のイケメンなのですが、結婚してから領地に追いやられているタリアに同情し、なにかと彼女への好意を隠さない・・・・
タリアはとある事件に巻き込まれ、伯爵はツンツンどっころじゃなくなります。ヤキモチを焼いたアッシュコーム伯爵が、タリアを追いかけ、あちらこちらに奔走。
この頃からメロメロとまではいきませんが、メロくらいに変化しています。そして、ジャックの恋人 元美人女優の登場で、三角関係から四角関係へと発展。
舞台は、ロンドンからフランスへと変わり、息つく暇なく、次から次へのエピソードが繰り出されます。
登場人物の心の移り変わりなどは繊細な描写ではありませんが、登場人物がストーリーをグイッと引っぱる印象の作品です。