女性セブンに掲載された連載漫画『シルバー』の原作。なかなかのボリュームと、ペニージョーダンのヒロインならではのツッコミどころ満載(!)のロマンス。
ロマンス小説興味ないって人も、なんなくこの作品は知ってるんでじゃないかなー。なつかしい作品なんで、今回は、あらすじもささーっと。
ペニー・ジョーダン『シルバー』を読んだ感想 ネタバレ
まぁ、とにかく長い小説です。1部~4部ありますが、個人的は1部と4部だけでよくない?という感じ。2部と3部は、ヒロイン・ヒーローの生い立ちや背景ががっつりかいてありますよ。
つっこみどころ満載の1部の紹介から。
初恋の人 従兄チャールズから、痛烈な言葉を浴びせられるヒロイン。
「ぼくが本当に結婚するとおもっていたのかい、そんな醜くふとったお前なんかと?」
イギリスの名門貴族の血をひく彼女。父親が死んだとたん、チャールズから手のひら返しのをうけます。
「父親の謎の死が、いとこチャールズと関係してるのでは?」
このままでは、彼女は抹殺され、チャールズにすべて乗っ取られる!と、うっすら気がついたヒロイン。愛する父親の謎の死の解明をするために、失恋の心の痛みを抑え込み、悪徳美男子チャールズに立ち向かうことを決意するのですが・・・・
いかんせん、彼女、オデブ&ブサなんですよ。母親を亡くした心の穴を過食でうめてしまいましてね~父親の目からみても、「これは、アカンヤロ」という容姿。親の欲目でみても、ブスってロマンス小説では珍しい。
父親の死を解明するために、別人になりすまそうと決意するヒロインは、「整形」「ダイエット」を極め(まぁ、ここまではいいとして)さらに、「愛の手ほどき」まで極めようとするわけですよ。
いつまでもデブでブスなモジモジフランシスじゃ、自分だとバレちゃうから~
そこで登場するのが、盲目のジェイク。ジェイク側には先立つマネーが必要で、莫大なお金と引き換えに、しぶしぶながら「愛の手ほどき」を学ばせる仕事を引き受けます。
憎きチャールズを誘惑するため、なんとか、男が奮い立つような女になりたいとジェイクから指導をされるのですが、実に痛々しい。ペニー・ジョーダンのヒロインにありがちな、浅はかで自己中心的な性格が全面な言動にびっくりしますよ。<でも嫌いじゃない
個人的なつっこみどころとしては、
・別人になりきるだけなのに愛の手ほどきは本当に必要か?
・手ほどきというわりには、一度で終わり?<え、何が?
・もっと修練しなくてもよいの?⇒『間違いだらけの愛のレッスン』くらいは頑張ろーよ。
・チャールズを誘惑してそのあとどうするつもりよ<ごちそうさん、で終わっちゃうじゃん
結局、ジェラルディン・フランシスはシルバーという名前にかえ、復讐の足掛かりをつかみ、山荘を後にするのですが、やっぱりジェイクのことが忘れられない・・・・
というところで1部、終わり。
4部は二人の再開です。チャールズにシルバーとしてちかずき、父親の死の真相をつきとめようと誘惑しつつあるとき、ジェイクと再会!
シルバーは、目が見えないジェイクとは、再会してシルバーさえ知らんぷりしていれば、わからないだとうと高をくくっていました。が、なんの、ジェイクの嗅覚はすごくて(!)シルバーをかぎ分けます(笑)
あーワイルドだわー。愛に一途で、決して目的をあきらめない彼に、よろめいてしまうのは私だけ?でも彼のシルバーに施した愛のレッスンも、ちょっと苦笑ですよ。時代を感じますね~。