元社長令嬢のジェシカと実業家ジャックのロマンス。

 

ヒロイン ジェシカは重病の父にかわり、倒産寸前の父親の会社をライバル会社へ売り渡すためにアメリカに帰国。ライバル会社のオーナーが、かつて自分が愛した男性ジャックだと知り動揺します。

 

ハイスクール時代、二人はつきあってました。ところが、ある日突然ジェシカはジャックを捨て、別の男性と結婚。

 

自分は捨てられたのだ、と怒り傷つくジャック。何年たっても怒りが収まらない。復讐の第一歩が、ジェシカの実家の乗っ取りだったのですが…

 

真実を知らないっていうのは、本当に残酷。ジャックの言葉が、ジェシカの心をナイフで切り裂くようにグサリグサリと傷つけるのが痛々しい作品です。
でも、いい作品でした。しんみり。

 

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『愛のリフレイン』を読んだ感想<ネタバレ全開>


私の手元にある『愛のリフレイン』は1988年出版の本。

 

すごーーーーく状態がよくて、表紙も素敵。一目ぼれしちゃいました。中古本で買ったんですが、前の所有者の方のの保管状態がとってもよかったんでしょうね。ヨレやスレは、ほとんどありません。

 

 

私は中古本の表紙をめでるのも、ハーレクインの楽しみの一つなんです。

 

バブル臭ていうんですかね。手が込んでて素敵なんですよ。特に1980年代のハーレクイン。

シルエットデザイアのロゴマークのDの部分みてください。男女が向き合ってるマークになってません?凝ってますよねー。

 

プロフットボール選手からビジネス界に転身したやり手青年実業家


ヒーロー ジャックはもともとカナダ出身。なので、高校時代は、ちょーっと、英語なまってる感じ(笑)

 

なまってるイケメンハイスクールボーイのジャックは、ちょっと異質な存在。

 

「ジャックはかっこいいけど、ちょっとねー」

 

というのは、彼の父親はアル中。ジェシカの父親が経営する工場に勤めてるんですが、稼ぎよりも飲むばっかりで、おまけに子だくさんの家庭。母親はなまっててなにいってるかわかんなくて、狭いアパートに、ジャックを筆頭に子どもばっかりいるっていうイメージ。

 

なので、顔やイケてるけど、ちょっとね、っていうのが同い年の同級生たちの冷ややかな視線があります。

 

一方、ジェシカはお嬢様育ちで、遠方の寄宿舎学校から実家にもどってきたばかり。はじめて男子のいる学校に転校してきました。なれない学校にキョロキョロしてます。

 

そこで、ジェシカはジャックにひとめぼれ。ジャックの家庭のことなんて気になりません。なんといっても、お金はあっても冷たい家庭にそだってますからね。

 

ジャックの方は、皆がうっすら馬鹿にしてるっていうのを気にしているんですが、なまってるのも気にせず、ジェシカが純粋に好意を寄せてくれてるのをとっても嬉しく感じてます。

 

ヒューヒュー(笑)

 

この辺りまではいいんですけど!!!ほら、アレですよ。フットボールで鍛えてるジャックが、若き恋心を持て余してしまって、なんとジェシカに手を出してしまうんです。
ジャックはそういうのが、あーたーりーまえーって感じのスレた女の子たちを相手にしていたので(なんたってジャックは顔がいい)、当然って感じだったんでしょうかね。

 

このちょっと行き過ぎた?行動の結果としてジェシカは妊娠。

 

 

そして、妊娠が父親にバレ、ジャックをレイプ犯として告発するという父親の脅しにまけて、別の男性と結婚するという結末になってしまうのです。

 

 

勿論、妊娠の事実をジャックは知りません。ジェシカの父親は、ジャックに「お前なんか、うちの娘が相手にするわけないだろ~」とかなんとかいって、ジェシカが金持ち男と二股かけてたと嘘を吹き込み、二人の仲を決定的に切り裂きます。

 

その後、傷心のジャックは、スポーツ奨学金をもらい大学へ進学。プロのフットボール選手になり、大金を手に入れ、青年実業家へ転身。復讐の第一歩としてジェシカの父親の会社を買収…なのですが。このあたりの男心が後半明かされていく部分が、短いながら読み応えがあるんですよ。

 

 

一途にヒーローを思い続けるヒロインが健気すぎる


ジャックと別れる事を引き換えに、父親がジャックを告発するのを思いとどまらせます。でも、絶対に赤ちゃんは産む。硬い決意をもっていたジェシカですが、別の男性と結婚をさせられ、その後、流産。

 

 

悲しみに暮れ、実家に戻ってみれば、かつて愛したジャックは、奨学金をもらって大学へ進学。もう、自分は必要ないのね、とイタリアにわたって、一生愛を知らずに生きていくと思っていた矢先、ジャックが登場します。

 

憎しみに満ちた視線を向けられても、彼女は真実を伝えられません。だって証明する手段がないのだから。かつてのことを知ってる人は、もういない。

 

ジャックが、鬼畜な行動をすればするほど、ジェシカは「私が彼をこんな風に変えてしまった」と傷つきます。

 

明るく優しかったジャック。本来の彼は、こんな風じゃなかったのに。
ジェシカは、ジャックの正確な英語のアクセントさえ、もの悲しく感じ、かつての「なまり」を懐かしく感じます。

 

ジャックもね、ひどいんですよ。
ジェシカを傷つけて、自分も傷ついてる。

 

後半は、ぐっと二人の心が近づいて、ジェシカがジャックに真実を明かすのがいまかいまかと待ちきれません。

 

最後は、もちろん懺悔(笑)で一件落着。真実をしったジャックのメロメロぶりも一見の価値ありでございます。ジャック、豹変スゴイ。

 

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