オーチャード・ヴァレー三姉妹物語より三女ノーラのロマンスを紹介します。
古風で平凡な看護婦ノーラと、テキサスの会社社長 荒くれ者ローディーとのロマンス。
赤い実をたわわにつけた木がたち並ぶリンゴ園で、繰り広げられる恋愛模様が楽しめるシリーズです。
序盤のあらすじを簡単にまとめました
ブルームフィールド家はおめでた続き。姉二人は立て続けにお相手がみつかりましたが、ノーラには一向に気配がありません。ちょっと寂しく感じます。
長女、ヴァレリーの結婚式の前日、飛行機事故にあった男性がノーラの病院に担ぎ込まれました。意識不明の男性は、どうにか一命をとりとめました。その男性は、CHIPS社の社長 ローディー。ソフトウェア業界の異端児であり、姉ヴァレリーの上司です。
ローディーはヴァレリーの結婚に大反対。姉の上司が、姉の結婚式を阻止するためにやってきて事故にあいました。
姉を動揺させたくない。ノーラと家族は相談をし、ローディの件を姉には伝えませんでした。姉の結婚式が終わった後、ローディーのもとへ結婚式の装いのまま向かうノーラ。
ノーラの姿を見たローディーはノーラに言います。
「君は何者なの?僕の守護天使かい?」
感想です
私が、この作品を初めて読んだのは二十年ほど前。心に残った一冊で、一旦手放したのですが、再度買い直しました。
ヒロインノーラは平凡な女性。彼女が好きになったのは荒っぽいテキサス男ローディー。
彼が好きなのは姉ヴァレリーだと思っており、ノーラは切ない思いをします。姉二人は、キャリアウーマンで、才能あふれる美人系なのですが、ノーラはどちらかというと、家庭的なタイプ。
何しろ結婚式に乗り込んでくるくらいですから、そう考えても不思議ではないですね。
一方、ローディーは自意識過剰気味。ヴァレリーの結婚は、自分の気をひきたくてついた嘘と思い込んでいました(オイオイ。過剰すぎ)
ところが、実際、ふたを開けてみたら本気で結婚するらしい。
大慌てでセスナで登場したところ、墜落し、病院にいたります。何事も自分の想い通りにしてきたローディーは、怪我で自由にならない苛立ちを周囲にぶつけます。
家庭的で優しいノーラは、彼の気をそらし、温かく、時には毅然と接します。
それが裏目にでたノーラは、手がつけられないローディーは、ノーラ担当ね!と押し付けられてしまいます。
だって、あなただと彼は大人しいのだもの。
周囲の看護婦たちも彼にはお手上げ。
荒くれものローディーはいつのまにかノーラ専任(笑)
リンゴ園でのびのびそだったノーラは大らかなのです。
でも、本当は、見知らぬ土地で、死を覚悟する程の事故にあい、ローディーは心細く思っていたのです。もう、素直になれよ~。
痛みで眠れないにもかかわらず、鎮痛剤を嫌がります。ノーラは無理に注射を打ちます。
眠りに落ちる時、ローディーのつぶやき。
「僕は死んだと思ったんだ」
「天使が来てくれたんだ」彼の声はだんだん細くなった。「ローズ色のドレスを着てね。とても美しくて・・・僕は死んでもいいと思った」
かなり序盤から、この調子なので、相思相愛確定じゃん。なんでも強引なローディーですから、姉ヴァレリーから妹ノーラへ思いがチェンジすれば、一直線。
- 当然、お気に入りのノーラは自分の世話をするに決まってる。
- だから、病院をやめて、専任の看護婦として、テキサスついてくるに決まってる。
生まれ育ったオーチャード・ヴァレーでの生活で満足しているノーラはローディーの提案を断ります。給料を何倍にする、とか、期限は何か月だから、提案をされても心は動きません。
自分の要求を、譲らないノーラもなかなか頑固(笑)。
思い通りにならないとプンプンにおこって、ローディは、テキサスに帰りますが、すぐオーチャード・ヴァレーにもどってきちゃいます。
二人は離れては近ずくの繰り返し。
好きだよ、一緒にきてほしい、の一言で、丸く収まるのに!!男のプライドが邪魔するのか!(笑)愛の言葉をいってあげなよテキサス男。
彼女をとりまく家族の愛情が、優しい雰囲気をつくりだしていて、とっても読書後は幸せな気分になれます。
だいぶ古い作品なので、入手しにくいのが難点ですが、手に取る機会があればぜひご一読を。
最後に、ローディーの私のお気に入りの一言。
「僕はテキサス男だぞ。極上のあばら肉をしゃぶって乳離れしたんだ」
え、そうなの?(笑)
こちらコミックス。かわいい感じですねー。