テキサスの恋19作目。ジェイコブズビルの地域医療をささえるドクター ドルー・モーリスと、彼の病院の受付秘書キティのロマンス。
ドル―は、かつて深く愛した妻を病気でなくしました。その悲しみからか、オーバーワークの毎日。
そんな彼の病院に、タンポポのような可愛らしい受付秘書がやってきました。あか抜けない上に、ちょっとドンくさいキティ。
そんな彼女をちょっと疎ましく思うドクター・ドル―。傷ついたポッチャリドクターをいやす不思議な魅力のキティが、とっても可愛い作品です。
*『あの夏のロマンス』には以下の2編が収録されています。ご注意ください。
・テキサスの恋18『トム・ウォーカー』
・テキサスの恋19『ドルー・モーリス』
『ドルー・モーリス』を読んだ感想
テキサスの恋シリーズ19作目。シリーズなじみがない方は、こちらをどうぞ。⇒テキサスの恋シリーズ情報まとめ
えー軽くネタバレはいりますんで、嫌な方はここで撤退を!
---------------線引き-------------
ドル―の専門は小児科。病院の待合室で、子供たちを面白がらせようと、ドクターは「子猫のキティーちゃん」とキティを呼びます。
そんなドクターに合わせてキティは「にゃ~ん」(笑)ほほえましい二人なのですが、スタートは冷ややか。
とにかく、キティがあか抜けず、どんくさい。カーディガンのボタンは掛け違うし、足元のソックスは片方ずつ色が違う。どこかに、よくぶつかるし。
こんな子を紹介してくるなんて、職業紹介所もあきれたもんだ。「お払い箱」にするしかないか、と思うドル―。
でも、彼は気がついています。
キティが心温かく、患者さんを迎え入れ、子供の扱いも上手なことを。病気で不安な子供を優しく迎える細やかな性格なことを。
キティはね、とにかく、もっさいんですよ。ただ、軍隊出身の父親に男手一つで育てられ、軍隊式(?)な生活に慣れているせいか、ドル―の癇癪や小言も難なくやり過ごしています。
そんな彼女の内面をみぬいてか、なぜか、モテモテ。
彼女が、町で噂のワル「ガイ・フェントン」とデートすると聞き、ドル―は気が気ではありません。ついつい一言、物申してしまいます。
持病の喘息の予防薬をきちんと飲んでいるかも気になって仕方ない。
そんな彼女が、父親のように口うるさくも、自分に関心を寄せてくれるドル―に惹かれないわけがなく、反対に、オーバーワーク気味なドル―の心配をし始めます。
ドクターの体重も減ってしまったようだ。←彼は小太りだったんです^^
ドルーは、奥さんに先立たれてるんですね。おしどり夫婦だったみたいでね。奥さん先立たれた悲しみを仕事で紛らわしてるのでは?と周囲が噂するくらい。
でね、キティは、ドルーのやるせない亡き妻への悲しみも、つつみこむような優しさで尊重するんですよ(´;ω;`)
私が、しんみりしたのは、ドル―の亡き妻イブの命日のシーン。ドル―が思わず、キティを抱きしめキスをします。
キティは正面からドル―を受け止め、彼の亡き妻の命日でドル―が寂しさを持て余していたを知った上で、彼のキスを受け入れます。
深い悲しみを癒すには、誰かとのふれあいが必要だもの。私も、父親が亡くなった時、こうして誰かから抱きしめてほしかったって。
お互いの好意がうっすら透けてみえる毎日の職場での生活や、つたないながらも、一生懸命、ドクターの心を慰めようとするキティがが、ほんわか。です。
ただ、キティを周囲がほっとくわけもなく・・・ドル―の友人コルトレーン夫妻は、独身男性との出会いをセッティング。なんとか彼女に幸せをつかんでほしいと、考えます。
ジェイコブズビル花婿候補ナンバーワンのマットも、キティを気に入っている様子。もちろん、以前デートしていたガイ・フェントンも彼女に再びデートを申し込んできました。
ということで、ドル―が亡き妻への想いで揺れに揺れてるうちに対抗馬がゾクゾクと登場。ああ、ドル―。早くしないと!!
「子猫ちゃん」の心の優しさが周囲をひきつけ、あか抜けないながらも、意外にもモテモテの作品です!
*『あの夏のロマンス』には以下の2編が収録されています。ご注意ください。
・テキサスの恋18『トム・ウォーカー』
・テキサスの恋19『ドルー・モーリス』
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