テキサスの恋20作目。コンピューター嫌いの牧場監督ジョブと、彼のボスの妹 システムエンジニア サンディのロマンス。
ITの波が、ジェイコブズビルの牧場にも押し寄せ、ついにサンディの兄の牧場もコンピューターを導入。ですが、ジョブは頑なにコンピューター操作を拒否します。何故なら、ジョブはコンピュータ嫌い。
面倒くさすぎる性格のジョブと、勝気なサンディのぶつかり合いが見どころ。
かつて登場したサンディの陰気な兄も登場します。
そして、二人が結ばれるシーンは・・・・・・・・顔が赤らみ、恥ずかしさのあまりクッションを叩いてしまう程。ダイアナ先生、書いていて恥ずかしくないのかな~と、関心しちゃう作品です。
*『すれ違う心』には以下の2編が収録されています。ご注意ください。
・テキサスの恋20『ジョブ・ドッド』
・テキサスの恋21『初恋にさようなら』
『ジョブ・ドッド』を読んだ感想
テキサスの恋シリーズ第20作目。シリーズなじみがない方は、こちらをどうぞ。⇒テキサスの恋シリーズ情報まとめ
かつて、まだパソコンが一人一台オフィスになかった頃。私が勤めていた会社の上司は、マウスを二回「カチッ」と押す行為を「ダブルクイック」と呼んでいました。
私は、その言葉を聞くたび、「それは、社交ダンスですか?」と、心の中で突っ込んでいたのを思い出します。おそらく、このお話、『ジョブ・ドッド』も、そんな頃のお話。
パソコンをコンピューターと呼び、裏も表もわからない人がいる。まだ、身近にパソコンもなく、ちょっと触ると壊れてしまうのではないかと恐る恐るボタンを押す。
それでも、時代がITを必要とし、それを道具として使いこなせるかどうかが、優秀さに直結する時代がやってきました。
実に、ジョブのような「ダブルクイック」派の人間には断然不利なんですね。もう、とにかくパソコン音痴。
周囲が、やんややんやいっても、ジョブのスタンスは変わりません。遺伝学や、畜産の知識はバッチリ。全部の牛の情報は、この俺の頭にはいってるさ。だから、コンピューターなんて、必要なし!
ってな具合でね。
そんな彼に、苛立ちながらも、根気よく教えるサンディ。どうしてもジョブには、コンピューターを使えるようになってほしい。
ところが、懸命にサンディが教えても、トッドは非協力的。それは、コンピューター嫌いもあるけれど、サンディがキャリアウーマンなのが気に入らないから。
自分の好みは、男を立ててくれる、気立ての優しい女の子。なんと!!小さい男よ。
ジョブはサンディが幼い頃から、からかい馬鹿にし、「女は劣ってる」態度で接してきました。そんな彼女が、選んだ道はコンピューター会社での仕事。
(おそらく、いまでいうプログラマーか、システムエンジニアだと思います)
牧場での力仕事では、男には勝てないけど、頭脳で勝負!そして、時代の波がサンディの味方となり、ジョブにとっては、この状況は下剋上状態。
なんとも、パソコン音痴のヒーロー、可哀想です。サンディも、ここぞとばかりに、ジョブにデータ管理の重要性や、効率化やリスク管理について説明し、優秀さを見せつける。
間違ってはいないけど、サンディ、正しい事いってるのだけど。男のプライド、ずたずた。
そんな、二人ををたしなめるのが、サンディの兄牧場主テッド。陰気だった彼が、大岡裁きのごとく、それぞれ二人に、苦言なんですよ。
いやいや、あなたも、結構、やってましたヨ、と突っ込みを入れながら読み進めるのも一興です。
えーちなみに。陰気な兄テッドの鬼行動はこちら
そんな、犬猿の仲の二人ですが。本当の気持ちは違うんです。
サンディが、そこまで頑張るのは、ジョブに認めてもらいたいから。そんなの無理ってわかってるけど、私を認めてほしい。
そして、ジョブの方はというと・・・この、二人の想いが、うっすら見えつつ、ストーリーが進行していくのが、なんともじれったい。
彼から認められたいサンディと、男のプライドからか、素直になれないジョブ。最後、二人が結婚を決めるシーンが、超面白く、恥ずかしい。
よく、こんなセリフいわせるよな~と、ダイアナ先生関心しかり。何度、読んでも恥ずかしさと、面白さで、いっぱいの作品。
ジョブの夢は、自分の牧場をもつこと。二人で働きながら、夢をかなえるべく、頑張るみたいですよ!優秀な奥さんでよかったね。ジョブ。
*『すれ違う心』には以下の2編が収録されています。ご注意ください。
・テキサスの恋20『ジョブ・ドッド』
・テキサスの恋21『初恋にさようなら』
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