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放蕩伯爵マシューと、コンパニオン兼看護師のジェインのロマンス。
完全女性不振の放蕩伯爵のマシュー。暴漢に襲われ担ぎ込まれたのは、看護師ジェインが勤める病院です。
目を負傷したマシューは、高熱にうなされ暗闇の恐怖に飲み込まれそうになりますが、そんな中、自分を看病してくれる、優しくたおやかな手と声の持ち主に癒され、彼女に言いようのない気持ちを持ち始めます。
「ジェシカ」は、どんな姿なんだろう。
一方、美貌のマシューに欲望を覚えるものの、ジェシカは自分の容姿・出自が気になり、彼の誘いに素直になれません。
ただ、彼が目が見えない時だけ。病院で。馬車の中で。暗闇のときだけ・・彼の手に身を任せるのです。
Amazonでの評価は高いのですが、結構好みが別れる作品。結論も賛否両論。あっまーいロマンスではありません。
ネッチョリしてるかな。今回は、完全ネタバレであらすじ紹介しますので、ネタバレ好みじゃない方はここで、引き返してくださいませ(笑)
私の好きな一冊なんですよ~
『宵闇の鳥のささやき』の感想とあらすじ(ネタバレ)
放蕩伯爵のマシューは、完全に女性不振。結構、根が深いです。原因は、性的虐待。彼が15歳の時、父親の後妻に手をだされてます。
といっても、父親が後妻に迎えたのは、彼よりも7歳くらい年上の女性。なので、エロい年上のお姉さんに手ほどきされちゃったって感じなんですよね。
そこから、彼は「罪悪感」にさいなまれ、どうしようもない欲望に突き動かされる自分を汚れたもの、どうしようもない人間だと思い込み、結果、放蕩三昧。
この後妻って女も、ひどいことひといこと。彼が若くて「おぼこい」ことをいいことに
酷い言葉を浴びせかけ、手練手管をつかって、欲望の虜にしていきます。
で、そんな彼なんですが、社交界きっての「放蕩ぶり」。仕事と言えば伯爵の仕事ではなく官能的なエロい絵を描くこと(笑)で、当然、父親の公爵とも仲が悪いわけですわ。
一方、ジェシカで。彼女の母親は、もともと貴族の愛人。ジェシカを身ごもった段階で、うちすてられ、娼婦に身をおとします。「そういう街」で母親が身をうりながら、金を稼ぐのを当たり前に育ってきます。親を反面教師にしてるので「純潔守ります」路線!
そんなジェシカですが、とうとうある日孤児になってしまいます。ごみ箱で残飯あさりながら、浮浪児生活。彼女がラッキーなのは、とある老婦人にひろわれコンパニオンとして雇われたこと。その貴族の老婦人が彼女に「読み書き」からなんやら教育して、今の彼女があるわけです。でも、彼女の中では、どうしても母親のような愛人にはなりたくない。自立心旺盛で、生涯独身かしら、看護師職にやりがい感じる、いかにも地味~な女性。
この二人が、病院でであって、マシューはジェインの内面のやさしさに触れジェインはマシューに欲望を覚え。普段だったら出会わない二人がであって愛の物語がはじまります(笑)
お互いに、そっと探り合う(笑)のですが、なかなかそうそう上手くはいきません。なんせ、ジェインは「NO!愛人」ですからね。マシューは身分が高いのは一目瞭然だし、自分はさほど容姿に自信もなければ、つりあう人間だとおもってない。
最初の見せ場っていうのがですね、二人が(マシューが目が見えるようになってから改めて)再会する場面。もう~ひどいんですよ。マシュー。あんなに熱く、熱烈に、ジェインを求めておきながら、実際、目がみえるようになったら、ジェインを無視ですよ(笑)
想像の中で、美化しちゃったんでしょうね。虫けら、みるみたいですって!!実際、すごい扱いですよ。
ジェインは大いに傷ついて、もう二度と、彼とは会えないといいつつ・・・・・会っちゃうんです(笑)ストーリーの都合上!
マシューは、「僕のジェイン」を探しつづけるのですが、あのジェインと、このジェインが同一人物だと気が付くのはいつになるのか!!!
その後の展開も、切なさ満載。じっとりと湿度多めのネッチョリした感じが、往年の『JUNE』のような「耽美」を連想させます。BLじゃないですよ(笑)
ということで、後半は読んでのお楽しみでネタバレはここまでにしておきますね。耽美がお好きな方はぜひどうぞ。もうマシューが切ない・・・