べスは、夫を二年前に亡くしてから、息子のポールと二人暮らし。友人メアリー・ジェーンに誘われ、夏のバカンスを一緒に過ごす約束をします。
ところが、友人夫婦と過ごすはずが、アクシデントで見知らぬ親子とひと夏過ごすことになりました。相手は、気難しそうな男性と、なんと緑の髪と全身黒ずくめの女の子の二人組!
気心しれた友人たちと過ごす夏のバカンスが、なぜか知らない親子と奇妙な共同生活がスタート。
という出だしの、思春期の子どもを持つシングル同志のロマンスです。泣けるぜって1作で、デビマファンの方におすすめです。
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『二人だけの楽園』を読んだ感想
短編なのですが、すご~くいい話。ホットなシーンは皆無です。まったくこれっぽちもありませんので、ホットなものが読みたい気分な方は、ここで撤退を!
でも、ムラムラきませんが、胸はキュンとします(´;ω;`)
えーこの話は、シングル同士のロマンスでね。ちょーっと複雑なんですよ。
ヒロインのべス親子は、父親が死亡。ヒーロージョン親子は、母親と離婚。で、それぞれ異性の子供をもつシングル同志の男女が旅先でしりあい、生活するっていうストーリー。
思春期、真っ只中の子供たちの気持ちも語られてね、4人、それぞれの想いを胸に一ヶ月を過ごすんですね。
岸に打ち寄せる穏やかな波が、夏の日差しにきらめきまして・・・文字通りのパラダイスの島なんですよ。
べス親子の関係は良好。大人になりつつある息子のポールが、母親を守ろうとする姿が健気。常に前向きで、朗らかな少年と青年のちょうど間の年頃。難しい年なのに、一生懸命な母親みて育ってるからか、まじーめーで健全。
一方、ジョン親子は微妙。口を開けば反抗的で、態度も太々しい娘ニッキー。ちょっと頭の固い父親のジョンは、彼女を持て余してるのは一目瞭然なんですね。
そんな、二組の親子が、パラダイス(笑)、生活をともにするのですが当然最初はうまくいかず、ちょっとギクシャク。
でも、ちょっとドンくさいべスと、朗らかなポールの親子の健全な愛情に触れ、トンガッテル娘ニッキーも、少しずつべス親子に影響されて、少女らしさを取り戻していきます。
ちょっと頑固な父親ジョンと、愛情いっぱいのべスもね。実は、子育てや結婚生活で、苦労をしてて、シングル同志ならではの、子育ての難しさや悩みを共有するうちに、暖かい気持ちが芽生えるんです。
だけど、二度目の恋へ躊躇する大人二人。二度目の恋だから慎重なんですね。もう遊びじゃないから。
そんな、両親の変化を子供たちが見逃すわけもなく、、あれこれお節介にもアドバイス(笑)二人は、なんと大人二人が、浜辺でキスをしてるのを望遠鏡でみているんですよ。
で、お節介にもニッキーは
「最近パパはあまりキスとかしてなかったし。だからね、あんまりよくなかったんだったら、パパにもう一度チャンスをあげてほしいの」
なんて、いっちゃったりしてね(苦笑)それは、大人の二人には、必要のないアドバイスなのですよ!
そりゃ子供いるから、することはしてるし(オイ)、キスの仕方は知ってはいるけど、そんな簡単にはいかない大人のべスとジョン。
夏のさわやかな風景と、明るいトーンの文体が印象的でね。ところどころ、親子の絆や、子供の成長、思いやりが垣間見られ、目に涙がにじみました。
短編ですし、サクッとよめて後味いいロマンスです。
アンソロジーなので、他作品もはいってまーす。こちらも胸キュン スーザンウィックスの短編とセット。
あともう一つが、軽く鬼畜がはいってる?ダイアナパーマーとセットの3作です。謎の組み合わせ(笑)
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