テキサスの恋13作目。ジェイコブズビルの医師ドクター・コルトレーンと、同僚のルイーズのロマンス。地域医療を支える二人の仲は険悪。
なにかにつけ、コルトレーンはルイーズを叱りつけ、彼女は涙をこらえるのに必死。
コルトレーンがルイーズに辛くあたるのには訳があるんですね。愛したくても愛せない切ないルイーズと、揺れるコルトレーンの気持ちに胸キュンの作品です。
『婚約のルール』を読んだ感想
テキサスの恋シリーズ第13作目。シリーズなじみがない方は、こちらをどうぞ。⇒テキサスの恋シリーズ情報まとめ
私の大好きな作品。何度も何度も再読してます。シリーズを通して登場回数の多いコルトレーン夫婦のなれそめ?。オシドリ夫婦かと思いきや、こんないきさつがあって結ばれたとは知りませんでした。
えっと、ネタバレ入るので、嫌な方は撤退を。
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さて、そんなご夫婦のなれそめですが、かなり強烈です。
「人を愛する」「結婚」に対して恐れや不安が強いとき、あえて「想いが伝わらない相手」や「望みが叶いにくい相手」を選びがち。ルイーズもそんな女性の一人。
もともと物静かなルイーズは、暴力的な父親との関係で、ポーカーフェイスでいれば嵐は過ぎ去ることを学びます。怯えたらさらに暴力を振るわれる。なので、辛辣なコルトレーン(ニックネーム:コパー)に対しても同じように接します。
悲しくても涙は見せない。
何もなかったフリをする。
なので、コパーから、理不尽な叱責されても、表情にはだしません。でも心はちがう。ドクター・コルトレーンに片想い中のルイーズは、毎回、毎回、彼の冷たい言葉に傷ついてるんですね。
ある日、病院で受話器を取り上げると、声がきこえる。混線してるのかな?と思いながらも、受話器を耳にあてると、ドクター・コルトレーンの声。
「・・・言っただろう、彼女の素性を知っていれば絶対に雇ったりしなかったさ。ブレイクリーの娘だとは知らなかったんだ。彼女の父親がぼくの愛した女性にしたことは一生許せない。ルイーズはいつもそれを思い出させて僕を苦しめ続ける」
「ルイーズがいるだけで不愉快だ。彼女がここから、ぼくの前から去っていってくれるのなら、金を払ったっていい。それも早ければ早いほどいい!」
がーん。
コパーの本音を電話越しに聞いてしまい、さすがのルイーズも涙をこらえられません。片想いの男性に、あんな風にいわれるなんて…
もう、コパー(ヒーロー) 鬼!!かばいようがない!!
えー、コレには事情がありまして。そもそも、コルトレーンは癇癪もちの男性。自分でも自覚ありで、ルイーズに対しての態度は百も承知。
それを、怒るでもなく、泣くでもなく、さらりとルイーズに流されていると感じ苛立ちを隠せない。無視されてると思い、さらに辛くあたるという悪循環なんですわ。
コルトレーンは彼なりにルイーズを嫌う理由があるのですが、ルイーズからしたら理不尽きわまりない。なんたって、彼女の父親と自分の婚約者が(むにゃむにゃ完全ネタバレ)ですからね。
この作品の切ないポイントは、コルトレーン自身、実はルイーズに惹かれている部分。
おいおい。
彼女の父親が憎いけれども、(本当は)ルイーズには惹かれている。けれど、彼女は自分を全く相手にしていない。害虫のように毛嫌いされている。だから八つ当たりする。もう、いじめっこ丸出し。
ルイーズが辞表を提出し、初めて涙を見せた時、コルトレーンは罪悪感にかられ、やるせない気持ちでいっぱいに。
なんとか彼女との距離を埋めようと努力をはじめますが、時すでに遅し・・・・コルトレーンは、彼なりに謝罪をしたり、誘いをいれたりしても拒まれてばかり。とにかく一進一退。
ルイーズの心の秘密にせまり、ハートをつかもうと、粘りに粘るコパーが見ものです。愛に臆病なルイーズの心をつかめるか(笑)
コルトレーンには、結婚を考えた女性が過去何人かおり、そのうちの一人がテキサスの恋12のヒロイン カウガールジェーンです。彼女とは、兄妹のような関係ではあり、とても親密な関係⇒『恋の計算いたします』
気性の激しいコルトレーンと、勝気なジェーンはお似合いね、と周囲は思っていましたが彼が熱くなるのは、内気で物静かなルイーズ。もえますよ。
コルトーレンとルイーズの共通の趣味は電車模型(しぶい)。
部屋いっぱいに小さな家や駅舎を配置しながら、線路を組み立て、走る模型電車を、二人で眺めるシーンが大好きです。二人が夢みるのは、穏やかで暖かな家庭。
ルイーズを抱きしめるたび、家にかえってきたような優しい気持ちになるコルトレーンに、こちらもしんみりです。
うーん、これもいい!12作目と一緒に是非。
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