リサ・クレイパス『夢を見ること』<トラヴィス家シリーズ1>を読んだ感想

トラヴィス家 シリーズの1作目。
幼くしてメキシコ人の父親と死に別れ、母親と二人でつつましく暮らしているハーフの娘リバティがヒロイン。
妹が生まれた頃、突然母親が亡くなってしまいます。
幼い妹をつれ、リバティが現実と向き合い一人の人間として強く成長をする物語。
 
 
 
貧困と暴力と隣り合わせのトレーラーハウス生活や、その中での淡い初恋。

彼女が、幼い妹と二人で貧しさから抜け出し、幸せをつかむまでの半生記的な作品。
ロマンス小説を超えた何かを感じる本です。

 
 
 

 ロマンス小説を超えたヒロインのリバティ半世紀

舞台はテキサス田舎町。
ストーリー前半は彼女のつらく悲しい生い立ちが中心。
後半はロマンスがメインです。
正直、前半は重苦しい雰囲気で読み進めるのが苦しい程でしたが、彼女の淡い初恋があってこそ、このシリーズを通しての面白みが増すので、つらくてもちょっと頑張って読みたい部分です。
 
 
 
コンテンポラリー作品なので、リバティが直面するトラブルや、ちょっとした悲しみに共感しやすく、失望が胸にズシンと重くのしかかります。
肌の色の違いでの悲しい思い、ロストバージンの場面など、ハーレクインのような素敵な展開ではありません。

 
 
 

sugar daddy(シュガーダディ)がリバティを救う

前半、ロマンスの兆しもなく、展開も重苦しいのですが、大富豪の紳士と知り合う所から、話の雰囲気は一変します。

 

大富豪の紳士が、リバティを見込み彼女に個人秘書の仕事を依頼します。
リバティ半生記から、ロマンスの要素へシフト転換といったところ。
悲しく辛い彼女の人生に一筋の光が見え始め、サクサク読み進められます。
 
 
 
ストーリー半分の段階で、ヒーロー(やっと)ゲイジの登場。
登場が遅いので、ヒーローの甘さや、優しさを堪能したい方には、ちょっと物足りないかもしれませんね。

 

大富豪の紳士の息子ゲイジは、リバティを父親の愛人なのではと疑いをかけます。
秘書とは名ばかりなのではないか、と厳しくリバティにあたります。
 
 
 

幼い妹を育てていかなければいけないリバティは、ゲイジに辛く当たられながらも、割り切り秘書の仕事に取り組もうと頑張ります。

 

 

 

初恋の相手と富豪の息子の間で揺れ動く苦労人リバティの恋心(ヤヤネタバレ)

ゲイジは、最初こそ誤解からリバティに辛くあたりますが、素敵なナイスガイ。
お金を持ってて、素敵で、しかも寛容だなんて、文句なしのヒーロー。
 
 
 
終盤、リバティにもようやく幸せ到来か、と思いきや、トレーラーハウス時代の淡き初恋の相手と再会。自分のつらく悲しい生活と過去を共有できる唯一の相手。彼はリバティにとって特別な存在なのです。

 

 

彼女は、初恋の相手を選ぶのか、リバティを温かく包み込むゲイジを選ぶのか、最後まで引っ張ります。

 

 

ロマンス小説は幸せな気分になりたいために読む、という前提だと読み進めるのにつらい一冊。
ですが、生きていくことに前向きなヒロインを応援したくなる作品ですよ。