伯爵セプティマスと、家庭教師希望のエミリーのロマンス。

 

遠縁から爵位をひきついだセプティマスは、自分の妻にふさわしい女性をさがすべく広告を打ちます。でも、その広告は家庭教師(笑)大胆にも「釣り」広告です。

 

そこに、エミリーがカテキョに名乗りを上げ、二人は出会い、なんだかんだで結婚するんですが、実はエミリーには後ろ暗い過去があって・・・

 

強面、隻眼の元船乗りのセプティマスが、「さすがオレのエミリー」とベタ惚れなのがややこっぱずかしい(笑)ロマンスです。

 

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アニー・バロウズ『売り渡された淑女』のあらすじ&ネタバレ

エミリーはですね。母親はいいところの出のお嬢さん。父親がぼんくら。結婚に反対されて、出奔したんで、エミリー家族は、いつも小さな頃から借金取りにおわれていました。

 

母親が生きてる内は、まだそれでもよかったんですが、亡くなった頃から悲惨でね。

 

父親は、悪党じゃないんですが、賭博で調子こいて「エミリーの処女」をかけちゃうんですよ。

 

母親は亡くなってるし、父親は、自分の処女を担保にどんどん賭け事するしで、もう逃げるしかない、と。処女の前払い金をふんだくって、エミリー、こっそり夜逃げします。

 

勿論、いつでも逃げることができるように銭はペチコートに縫い込んで!

 

 

でも働いたことないんでね。ちょっと身分と経歴いつわって、家庭教師の働き口を見つけ、できるだけ目立たないように生きていこうと決心します。

 

そこが元船乗り隻眼のセプティマスのお宅。

 

エミリー、小さな子供の家庭教師のつもりでいってみると、子供も奥さんもいやしない。強面のいかにも男臭い男性が一人きりでね・・・

 

「あ、あの?奥様は?」「お子様は?」と聞いてみると、いないわけ!だって、家庭教師広告は「釣り」だから!

 

だまされた!!貞操のピンチだとおもった彼女は、セプティマスのお屋敷も逃げ出します。

 

で、あっさり捕まっちゃって。もうこれは、セプティマスの手込めにされるぅーっって思って、よくよく話を聞いてみると。

 

セプティマス、どうやら彼女の正妻としてプロポーズしてたつもりなんですよ(爆笑)

 

まさか、あれがプロポーズだとは!そうのような、そうじゃないような言い回しで。

 

 

見てくれ怖いし、すぐ怒るけど、思いのほか、彼優しいし。なにより、彼、自分をなんだっかんだいって大切にしてくれてるっぽい、と結構、気持ちが揺れちゃうエミリー。

 

 

いかにも船乗りって感じの荒々しいセプティマス、実は×1でね。奥さんに先立たれてます。この奥さんっていうのが、尻軽で、彼が海にでてる間ほかの男とよろしくやってるわけですわ。彼が、目を怪我したときも、ほったらかしでねー。

 

なので、オラオラ系に見えても、セプティマスは、ちょっぴり女性不信。見た目にもコンプレックスもってて(´;ω;`)

 

しかも、過去に傷ついてるんで、うまく女性にアプローチできないっぽい。で、嫁取りを急ぐにはちょっと彼にも事情があって、あれが精一杯。

 

ま、そんなこんなで、二人の意見は一致。

 

エミリーは、衣食住が保証され身元をかくせる。セプティマスも、どうしても結婚しなくちゃいけない事情があったから、都合がいい。もちろん、エミリーのこと一目で気に入っちゃってます。

 

ベットは別よの約束なしの、本物の夫婦になり。身体の相性もわるくなくて、もーいうことなしで。二人ともラブラブ(死語)

 

が、エミリーの過去がだんだん明らかになるのと同時に、セプティマスとの間に溝ができて。

 

エミリーは自分に何かいえない過去があるんじゃないか、と勘ぐるセプティマスと、彼に迷惑を欠けたくない一心のエミリーのすれ違いが、ちょっぴり悲しい。

 

エミリーからしたら、

「父親に処女を売られて、その代金かっぱらってきて、逃げてます」なんてなかなかいえないですもんね(^_^;

 

もっとすごーい後ろ暗い事やってるってセプティマスおもってて、結構彼女につらくあたるんですよねー。もう、そんなツンツンせんでも。

 

中盤から後半にかけてが、見所。あと、最後、お約束のヒーロー懺悔が痛快な作品。

結構お気に入りで何度か読み返してます。

 

オラオラ系ですが、根は紳士のギャップ萌え。アニーバロウズがお好きな方は是非どうぞ。

 

エミリーラブのセプティマスの陶酔が、かなーり笑えます。「さすがオレのエミリー」が口癖か!

 

 

売り渡された淑女

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↓こちらコミックス。私のイメージでは、セプティマスは、もっとごつい感じなんですが。王子様系ですね^^

 

売り渡された淑女

売り渡された淑女

[著]もとなおこ [原作]アニー・バロウズ

 

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